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車の中で泣き疲れたのかそのまま寝ちゃったようで今度は意識の無い体をおんぶして楽屋へと運ぶ。



ドアを開けるとそこにはもう既に薮くんがいて。


「お疲れ様。大丈夫か?」


「あ、…………うん。大丈夫。」



座っていた椅子から立ち上がりこちらへと向かってくる。あまりにもほっとした顔が伝わったのか、くしゃっとした顔をし、



「そんな顔しないでよ。大ちゃんがいてくれて伊野尾は安心してたと思うからさ。ね?お疲れ様。ちょっと驚いたよな。」



「…………正直めちゃくちゃ驚いた………。」



「ハハッ、そうだよな。───とりあえずそこのソファに寝かせておこうか。」



「あ、うん。」



そんな会話をしながらくったりと力の抜けた体をソファへと下ろす。


目元は赤く腫れており、痛々しくもあった。



伊野尾の近くにしゃがみこみ様子を伺う薮。



心配そうに、それでもどこか呆れたようななんとも言えない複雑な表情を浮かべている。


どこかお兄ちゃんや親のような、それでいて違うような。



そんなことを考えていたら伊野尾の頭を撫でていた薮がゆっくりと口を開いた。




「──こいつ、1回前にも似たようなことがあってさ、」



「───────え?………似たようなことって?」



「ボロボロに泣いて弱音を吐くこと。」



「えそうなの?」



「うん。大学の卒論が大変だった時期あっただろ?その時にさ、階段近くの廊下の隅の……、誰も見えないようなところにしゃがみこんで頭抱えててさ、

大丈夫かって声掛けたんだけどめちゃくちゃ泣いてて、

頑張って堪えようとしていたみたいだけど見てられなかったから抱きしめてあげたんだよ。

そしたら堰を切ったように声を上げてやだ辛いっていいながらわんわん泣いててさ、」




俺もあの時どうしたらいいのかわからなかったから気持ちわかるよ、と苦笑いしながら今だ伊野ちゃんの頭を撫で続ける。




「そうだったの………」




「びっくりするからキャパオーバーする前に言って欲しいんだけどね。
マイナスの感情を処理するのがずっと下手みたいで………、────多分今回もそうなんだろうなあ。」



「心配だね……」


「そうだなあ。」


俺も伊野ちゃんの近くへとしゃがみこむ。



「ちょっと疲れちゃったのかな………」



少し長めの髪を避けるようにして白くてまろい頬に触れるとひくりと瞼が震え、目が開く。





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ocome(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます^^承知いたしました!♡ (2022年5月8日 13時) (レス) @page1 id: 1418944971 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ライブ中やリハ中に体調悪くなっちゃうけど無理する感じのお話読んでみたいです! (2022年5月8日 0時) (レス) @page1 id: 03057fdb8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ocome | 作成日時:2022年5月7日 20時

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