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「絶対嘘だね。顔色悪すぎるもん。それにご飯飲み込むの時間かかりすぎじゃない？喉痛いの？熱は？」
「ない。なんもないから。心配しなくていいよ。」
「確かに熱はなさそうだけどさあ、」
そういい、伊野尾の額に手を当てる。
「うぁ！………びっくりさせんなよお……熱なんてないから。
………うん、ちょっと疲れてるだけだと思うし何も移るものじゃないんだから。知念は気にすんな。」
「そういうことを言ってるんじゃないんだけどな……。」
そういう知念の表情は前に車で見たマネージャーの顔と似ているような気がした。
そういえばマネージャーは伊野尾のここ最近の様子を知っているがメンバーは知らない。
いくら仲の良いと言われているグループだとしても聞かれてもない自分の体調不良を伝えようとは思わない。
迷惑かけたくないのはもちろんだが1番は心配をかけたくない。
ただこんな気の使われ方をするとは思わず、これは言っておいた方が良かったのではないか？と本気で考えてしまう。
「とりあえずちょっとトイレ。」
このまま知念に詰められるのも嫌だしとりあえずトイレに行って処方された薬でも飲もう。
そう思い水を持ち、ソファから立ち上がった。
しかし視界が急にホワイトアウトし、グラグラと体が支えを失ったように揺れる。
まずい、立ちくらみだ。
分かってはいるけれど突然の事で一瞬脳が思考を停止する。ええと、どうすればいいんだっけ。
───そうだ。とにかくしゃがむ。
しゃがめば頭をぶつけない。
医師から特に口酸っぱく言われたことだ。
なけなしの力を振り絞りその場にしゃがみこむ。
視覚も聴覚も触覚も遮断された何も無い世界でひたすら耐える。
薬ちゃんと飲んでんのになあ、服薬辞めたくなるくらいにはしんどさが増している。
しばらくすると自分だけ世界から切り離されたような気がしていた世界が遠のき、聴覚が戻ってくる。
「……ぇ！…のちゃん！伊野ちゃん！！ねえ！」
「………ん、ごめ………」
知念が必死に呼びかけている声が聞こえてきて思わず謝る。
「いいから！しんどい？どこが辛い？」
「──……ちょっと……んん、……」
聴覚以外にも視覚と触覚が段々と戻ってきて知念がずっと背中を撫でていたことを知る。
血液の不足からなのか冷えきった伊野尾の体が知念の手から伝わる体温で少しずつ温度を取り戻していくような気がした。
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ocome(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます＾＾承知いたしました！♡ (2022年5月8日 13時) (
レス) @page1 id: 1418944971 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ライブ中やリハ中に体調悪くなっちゃうけど無理する感じのお話読んでみたいです！ (2022年5月8日 0時) (レス) @page1 id: 03057fdb8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ocome | 作成日時：2022年5月7日 20時
