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in side
運び込まれた夜間救急で朦朧とした意識の中もとで行われた吸入と酸素療法で症状は何とか治まったがコンサートと大発作の疲れで眠ってしまっていたらしい。
気がつくと時計の針は何周も回っていた。
体を起こそうとした俺に気がついたのか、ドア付近の壁に寄りかかるようにしていた薮が声をかける。
「───起きた?」
「───ん。」
「気分は?」
「ん、もう全然平気。」
「そう。」
と言い、ドアを開けて外にいたらしいメンバーを呼んだ。
山田が先頭を切って怒った顔をして入ってきて、その後にメンバーが続く。
「───え、みんな帰ってなかったの?」
「帰ってなかったじゃないよ本当に。コンサート終わってぶっ倒れた伊野尾ちゃんみて帰れるわけないでしょ。」
「それは……ごめん。」
「───無理するなって言ったのに無理したのもそうだけど。
単刀直入に聞くけど伊野尾ちゃん隠していることあるよね?」
「──ん。……」
「なんで隠してたの?喘息だってこと。」
「…………。」
「黙ってちゃ分からないんだけど。」
「………ごめん。」
「なんで謝ってるの?相談して貰えないほど俺達のこと信用出来ないの?」
「──そういうことじゃ、」
「そういうことじゃん!10年以上、誰にも相談しなかった。裕翔にしか言わなかった。裕翔も俺達に何も言わなかった。2人ともどうして相談してくれなかったんだよ!」
「────ッ!ごめん、本当にごめん。裕翔は悪くないから。俺が悪かったから。だから裕翔は怒らないで。ごめんね。」
「───これだから2人とも……。」
山田は呆れたように溜息をつきながら俺の方を見る。
「………?」
苦笑いしながら光が山田の言葉の後を続けた。
「裕翔に無理矢理聞き出したんだよ。伊野ちゃんのこと。でも裕翔も俺が悪かったから伊野ちゃんを叱らないでくれって言ったんだよ。」
裕翔が気まずそうにこちらに顔を向ける。
「───伊野ちゃん。本当にごめん。伊野ちゃんのことを思ってみんなに相談しなかったけどみんなに相談してた方が伊野ちゃんのためになったのに、それなのに俺は、」
「違う、違うよ裕翔、なんで裕翔が謝るんだよ。俺が!俺が悪いの。こんな倒れて人に迷惑かけて、それで見放されるのが怖くて、それで相談できなくて、それなのになんで、こんなに迷惑かけたのになんで謝るの……裕翔が謝ることなんてひとつもないんだよ………。」
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ocome(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます^^承知いたしました!♡ (2022年5月8日 13時) (レス) @page1 id: 1418944971 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ライブ中やリハ中に体調悪くなっちゃうけど無理する感じのお話読んでみたいです! (2022年5月8日 0時) (レス) @page1 id: 03057fdb8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ocome | 作成日時:2022年5月7日 20時