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今日の仕事は歌番組の収録。
現場へと到着し、メンバーがいるであろう楽屋へと向かおうとするがその直前、ガラスに反射した自分の顔色を見て思わず顔を顰める。
これは酷い。
体調不良ですと宣言して歩いているような顔。バレるバレないの問題ではない。
どうしようかと思ったが仕事に穴を開けるというのはそもそも論外。
だったら少しの時間で体力を回復させるしか方法はない。
スタッフさんに空き部屋あるかどうか確認すると1部屋確保してもらえるらしく、そこでリハまでの時間体力を回復させることに専念した。
時間になりマスクと帽子を被ったままリハへと向かう。
折角メンバーとは別部屋で休んだのに体力回復どころか体調の悪化を感じる。
こうなったらバレないように乗り切るだけだ。
無駄な心配はかけさせたくない。
リハは通しで踊ったりする訳ではなく場当たりだけのはずなのに呼吸が苦しく一瞬だけマスクを外した。
全面鏡に映る俺の顔は紙のように真っ白な顔色と血の気の失せた唇。
眉間に皺を寄せしんどいを固めたようなアイドルらしからぬ表情にため息がこぼれる。
それでもなんとかリハを終えピリッとした緊張感が少し緩んだ気がした。と同時に天井の光とそれが鏡に反射した光がそのまま頭に届いたようで急に頭が痛む。脳が揺れる。
「───っ、た」
「どうした伊野ちゃん。」
突然の痛みに思わず声が出てしまい、近くにいたメンバーの心配そうな声が聞こえる。
「いや、何でも。ごめ、ちょっとトイレ。」
メンバーの返事も聞かずに水を持ちそのまま廊下へと駆け出した。
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ocome(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます^^承知いたしました!♡ (2022年5月8日 13時) (レス) @page1 id: 1418944971 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ライブ中やリハ中に体調悪くなっちゃうけど無理する感じのお話読んでみたいです! (2022年5月8日 0時) (レス) @page1 id: 03057fdb8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ocome | 作成日時:2022年5月7日 20時