2話 ☆紫耀 ページ2
単独の雑誌撮影を終えて帰宅すると
『はぁ…』
深い溜息をつきながらソファーにダイブする。
まだほんの少しあいつの残香がするこのソファー。
その匂いを嗅ぐだけで疲れた体からスーッと疲れが抜ける気がした。
でもなんだか
「しよお!お帰り!」
そうやって笑顔で出迎えてくれていた奴が居ないだけで寂しく感じた。
_
『廉はさぁセンターに立ちたいと思ってる?』
丁度楽になるにはどうすればいいかを考え出した頃、俺はこのソファーで廉にそう尋ねたっけ。
そしたら廉、当たり前のように
廉「あ?そりゃ思っとるよ。」
そう答えたんだよな。
『そっか、…』
廉「なんや、なんかあったん?」
俺の空気が変わった事を察したのか、廉が顔を覗き込んできた。
『…なんもないよ。』
滅多にない貴重な二人の時間を、暗い時間にしたくなくて
『ベット行こ?気持ちよくしてあげる。』
『ッ…な、優しくしてや?』
頬を赤らめて上目遣いで見てくる廉が可愛かったな。
_
『あー、ダメだ。またあいつのこと考えちゃった。』
明日、俺の脱退が皆やファンの方々に伝わる。
そうしたら俺の大好きな人達は、俺のことが嫌いになるんだろうな。
批判来るんだろうな…
いや、今でも批判は凄いしどうでもいっか。
スマホを開いて
“平野紫耀” と検索する。
エゴサしないなんて嘘。
誰だって自分の評価は気になるでしょ?
@aaa
平野くんってさぁメンバーといる時とバラエティの時態度違うよね
@bbb
自分さえ良ければ紫耀くんはそれでいいんだろうな
@ccc
センターじゃないとやる気出さないし笑顔ないよね
︳
@ddd
それな、その前に平野はセンター向いてない
勿論、有難いことにいい事を書いてくれている方も沢山いるけどそれに交じって俺を批判する方もいる。
俺の苦労も、努力も知らないくせに。
別にセンターにこだわってる訳じゃない、大人たちの意向なのに。
そういう気持ちが湧いてきて、他の皆のファンの方々が全員俺の敵に見えてくる。
『ごめんね、みんな。』
ストレスでお腹が痛くなってきちゃいそうで、慌ててスマホの電源を落とす。
こんな時、廉がいたら
「一部の人の声なんか聞かなくていいねん!しょうはお前を応援してくれてる人達の声だけを聞けばいいねん!」
そう言ってくれたんだろうな…。
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作者名:叶 | 作成日時:2020年7月29日 17時