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｢酒は美味かったか？｣
｢はい、美味しかったです。もう味ないですけど｣
｢それは酔ってるからだと思うぞ｣
そうですかね、なんて呟くAを見て、閃く。
今のAなら、大体の要望に応えてくれるのではないかと。
｢A｣
｢はい｣
｢たまには俺を名前で呼んでくれよ｣
｢…サボ？｣
何とも従順なAに、小躍りでもしたくなるほど嬉しくなっていれば、不意にキスをされた。触れるだけの、簡単な。
一瞬困惑して固まると、Aは｢あはは｣と声を出して笑う。
｢サボ…サボくん？サボさんだと、なんか変ですね。というか、名前、呼ぶだけで恥ずかしい｣
｢…も、もう1回｣
｢サボ｣
あっけらかんとしてAの顔を凝視する。
なんなんだコイツは。いつもは冷たくあしらう癖に、酒を飲むだけでこんなに素直になるのか。
｢(…あざとい。死ぬほどあざとい)｣
───────この際、死ぬほどあざといこの酔っ払いを、好きにしてもいいだろうと思った。
俺は悪くない。悪いのはAだ。
据え膳食わぬは男の恥とも言うし。いや、本人的には誘ってなんかいないんだろうけど。
この酔いに任せて、頂いてしまおう。
｢A｣
｢…｣
｢A…？｣
その時、嫌な予感がしたのだ。Aからの返事がない。俺の肩に頭を乗せたまま、動かない。
まさかと思い、耳を立てる。ゆっくりとした、呼吸の音。
力の入っていない手を触ってみると、ほんのりと暖かい。
｢(…まさか、寝てるのか？)｣
頭が真っ白になった。蛇の生殺しに近いものを、確かに感じた。
・
｢…あれ、なんで私、総長の部屋に…｣
｢おはようA…｣
｢うわぁ！？総長！…酷いクマですよ？｣
｢お前のせいだよ…でも気にするな｣
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モノクロ - 初コメお邪魔します。リクです。夢ちゃんとサボの共闘とかどうでしょうか？あと、この作品大好きです。頑張ってください！ (2022年12月22日 21時) (
レス) @page49 id: 668dfd3812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2022年12月4日 23時
