【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ47)

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飲み始めてから、1時間弱。

つまみを早くも半分ほど食べ終え、酒も度数が高いが順調に量を減らしてきた。

主に俺が。

｢(…なるほど)｣

目の前で、グラスを両手で持ったまま左右にゆったり揺れるAを見て、ゴクリと喉を鳴らす。

結論から言えば、Aは確かに酒には弱かった。けれど、本人が言っていたような悪い癖は無いし、むしろ生意気な性格が抜け落ちている。

極めつけには。

｢A｣

｢…はい、総長？｣

名前を呼ぶだけで、この笑顔。へにゃりと表情を緩ませて、次に言われる言葉を待っている。

｢(ずるいよな…俺はてっきり、酒を飲んだら脱ぎだすとか、発狂するとか、そういう類かと思ってたのによ。ただ気が緩むだけって、ただあざといだけじゃねぇか)｣

｢？｣

｢…A、膝に来るか？｣

なんだか悔しくなって、試しにそう聞いてみた。十中八九乗らないだろうと思っていたら、｢分かりました｣と言われる。

それに動揺していればAがトコトコと歩いて、俺の前に来た。

これはチャンスだと思い、Aを持ち上げて、向き合う形で膝に乗せる。そのまま背中に腕を回した。

可愛い。これは定期的に飲ませよう。

そんな事を決心していると、Aがモゾモゾと動く。

｢ふふ…｣

｢どうした？｣

｢いえ、総長の匂いだと思って…｣

普段、絶対に言わないことまで平気で喋る。ココ最近は距離を詰めすぎて｢離れて｣の一言で一刀両断されてしまうから、めちゃくちゃに嬉しい。