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｢ただいま戻りました｣
｢A！｣
扉がガチャリと開いて、Aが入ってきたと同時に抱きついた。｢ぐえっ｣なんて声を聞きながらも、もっと強く抱きしめる。
｢死んじゃう、死んじゃいますから｣
｢悪ぃ、つい。で、何を買ってきたんだ？｣
手に提げている袋に目線を移せば、Aは言った。
｢特に珍しいものは買っていませんよ。おつまみを買ってきました｣
｢つまみ？｣
｢はい。今日は飲む気でいたので｣
そこで思い出したのは、Aに不安をぶつけた日のあの酒だ。なるほど、確かに上等なものだったし、つまみがあるといいかもしれない。
｢総長は、仕事終わりましたか？｣
｢あぁ、ついさっき｣
｢お疲れ様です。それじゃあ私は、自室に戻りますね｣
さっさと部屋を出ようとするAの腕を掴んで引き止めた。
｢待て、晩酌に付き合う｣
｢え…｣
｢なんで嫌そうな顔をするんだよ｣
｢…｣
不満げに言えば、急に黙り込むA。何か後ろめたいことでもあるのだろうかと、話すのを待っていると、ポツリと呟いた。
｢私、弱くて、お酒…人とは飲まないようにしてるんですよ｣
｢…へぇ、それはいい事を聞いたな。Aにもダメなもんはあるんだな｣
｢ありますよ。という事で、私はこれで｣
｢逃がすか｣
｢はい！？｣
掴んでいた腕を引っ張って、離さないアピールをする。
酒に酔ってるAを見ないなんて勿体ない。
｢1人で飲ませてください｣
｢俺と一緒に飲んでくれないなら、今日はこのまま固定だ｣
｢脅迫ですねそれ。言っておきますけど、私も何するか分からないんですよ？ドン引きされるようなことするかもしれないんですよ？｣
｢任せろ、どんなAでも好きでいられる自信がある｣
｢こんな時に聞きたくないですよその言葉…｣
Aはため息をついた。
そして、暫く考えている様子で、1歩が踏み出せない、というより踏み出したくないようだった。
俺は後押しする。
｢…大丈夫だって。いざという時のサポートも任せろ｣
｢……引かないでくださいね｣
｢あぁ。じゃあ早速、酒も持ってきてくれ。俺はここを片付ける｣
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モノクロ - 初コメお邪魔します。リクです。夢ちゃんとサボの共闘とかどうでしょうか？あと、この作品大好きです。頑張ってください！ (2022年12月22日 21時) (
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作者名：作者 | 作成日時：2022年12月4日 23時
