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｢A…今…｣
｢私、怒ってますから。最初の頃はあんなに幸せそうにお互いしてたのに、いつの間にかこんなに不安定な恋愛になってる。総長は、私がどれくらい貴方の事が好きなのか、1回も考えた事がないんですね。意地悪｣
思っていることを捲し立てた。睨みつけて、酒の瓶を近くの机にガンッ、と音を立てて置く。
そのまま暫く睨んだままにしていると、沈黙が続いた。
流石に言い過ぎただろうか、総長だってこんな不安定な恋愛にしたいとは思っていないはずだ。なのに一方的にこの人のせいにするのは、些か理不尽だったかもしれない。
なんて考えていたのも束の間。
｢A｣
｢はい｣
｢……もう1回頼む｣
｢…はぁ！？｣
思わず素の声が出た。怒りを通り越して呆れている。なんだそれ、こっちは真面目に怒っていたのに。
｢馬鹿なんじゃないですか。もうしません。完璧に怒りましたから｣
｢じゃあ俺からしてもいいか？｣
｢良いわけないじゃないですか…｣
｢いや、もうする。もう手加減しねぇ｣
どこか吹っ切れた、そして期待に満ちた表情で、私の顔を両手で包んできた。
振り払おうとするにも中々引き剥がせない。
｢ねぇ、ちょっと、総長！っうわ、えっ｣
喋っている私の顔を上向きにして、口の中に、いきなり舌を入れてきた。くちゅ、と音を鳴らしながら、執拗に吸い付いてくる。
今までは、こんな自分勝手なキスをしてきたことなんて、なかったのに。
｢(しつこい…口の周りびちゃびちゃ…というか、息できない)｣
休む間もなくしてくるものだから、鼻で吸うにも余裕が無い。段々と過呼吸になっていく。
苦しくて、肩が上下に動く。自分の呼吸の音と、液体の絡まる音しか耳に届かない。
苦しさから、涙が出てきた。もう限界だ。窒息死してしまう。総長の腕を掴んで、そう主張すると、やっとやめてくれた。酸素を確保して、呼吸を整えている間にも、総長は話し始めた。
｢悪ぃ…少しがっつきすぎた｣
｢…は、少、し…？｣
｢あー、息切れしてて可愛いな。…俺はもう、不安になったりしない。しない為にも、もう我慢しねぇ｣
｢節度、守ってもらえると…｣
｢多分無理だ｣
巫山戯んなと怒鳴れるほど、まだ息が整わない。
ひとまず、私の気持ちは伝わったらしいが、一難去ってまた一難と言ったところだろう。
｢んじゃ、もう1回｣
｢待っ｣
言い終える前に始めたあたり、拒否権は無いのだろう。
きっと、この先も。
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モノクロ - 初コメお邪魔します。リクです。夢ちゃんとサボの共闘とかどうでしょうか？あと、この作品大好きです。頑張ってください！ (2022年12月22日 21時) (
レス) @page49 id: 668dfd3812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：作者 | 作成日時：2022年12月4日 23時
