【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ32)

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「……長…総長」

「…！」

肩を揺さぶられてパッと目を開ける。揺すってきた方を見ながら目を擦ると、会うのを楽しみにしていた人物が、こちらを見ていた。

5秒ほど頭が働かず、その顔をじっと見る。そこでようやく、今の状況を理解した。

「A！」

「はい」

「ただいま！」

「…おかえりなさい」

俺の勢いに少したじろきながらも、Aは少し微笑んだ。その表情が見たくて任務を頑張ったようなものだ。嬉しくて手に力がこもる。

「遅かったですね、随分」

「これでも急いだ方なんだが…やっぱり長引いちまった。お前は何してたんだ？」

「私は書類仕事を終わらせたあと、保護した子供達の面倒を見てました。頼まれたので」

やはり、子供の世話を任されていたらしい。

Aはだいぶ疲れているようで、まだ少しぼんやりとした意識のようだった。

「…珍しいな。Aが寝惚けてるの」

「すみません。シャキッとしなくて…」

「いや、いいんだ。可愛…あっ」

「えっ」

言いかけた言葉に、慌てて口を手で塞ぐ。

Aも目を丸くして動きを止めた。

そうしてしばらく続いた沈黙を破ったのはAの方。

「…ふふ、可愛いですか？」

「あー…すまねぇ…忘れてもらえると…」

「なんでですか？嬉しかったのに」

「！？」

その言葉に目を見開く。

そんな俺を見て、Aは口角を上げた。

俺の気持ちを全部見透かした上で、こうやって誑かす。

「本っ当にお前はずるいよな」

「お褒めいただき光栄です」

「褒めてねぇよ…でも、お互い同じ気持ちだよな？」

Aはキョトンとして、それから笑った。