【ONEPIECE】発熱【サボ】 (ページ39)

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その人の書類が置いてある部屋に行けば、そこには山積みになった紙があった。

｢散らかっていてすみません…これが今ある書類です。本部に戻ればもう少しあると思うんですが…｣

｢これで全てじゃないなんて凄い量ですね。いつもお疲れ様です。漁っても平気ですか？｣

｢大事なものは避けてあるので大丈夫です｣

許可を得て、いざ、1枚1枚確認していく。

1枚にかける時間は1秒。何故なら、名が記されていない書類と同じ筆跡を探しているからだ。

｢(この字は違う。これは全然違う。これは…いや、違う)｣

筆跡がかなり近しいものは保留として別のところに置いておきながら、疑わしい書類と見比べて分けていく。

ふと、1枚の紙が目に留まる。

｢これ…｣

｢？｣

｢これ書いたの、もしかして新人さんですか？｣

その1枚は、文字を書く癖がよく似ているものだった。

それは、訂正された印が通常の2倍ほどある、いわば書き直しになるであろうダメダメな1枚。

｢そうですね。つい最近になってこういった仕事も任せるようになった新人です｣

｢多分、書いたのこの人です｣

｢え…｣

｢そちらの武器庫に関する書類の方の、字の形は保ててないですけど、こちらの持っている書類と字の癖が同じなので。想像するに、睡眠不足になりながら書いたせいで、武器庫の正確な数を間違えたり、無記名のまま提出されたのでしょう｣

｢……ほ、本人が今回の任務に参加しているので…聞いてみます｣

そう言うと、バッと走り去ってしまった。1人取り残される。

手元に残った、ダメダメ書類をじっくりと眺めた。なるほど、これは酷い。なんかもう、あの人が可哀想になるほどに。

そりゃ、武器庫の数を間違えたり、名前を記入し忘れたりする訳だ。

少しすると、可哀想な上司さんが、しょぼんとした顔の新人さんを連れて部屋に戻ってきた。

｢…お騒がせしました。この子だったようです｣

｢すみません！すみません！ほんと！眠くて！｣

ペコペコと頭を下げる新人さん。新人さんと言っても、私も古参では無いが。とにかくペコペコと頭が痛くなりそうなくらい謝るものだから、つい吹き出してしまった。

｢あはは！私は別になんとも無いですよ。心配してしまいますから、ちゃんと寝てくださいね｣

｢はい！はい！｣と元気よく返事をした新人さんに、上司さんは呆れてため息をついた。