検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:7,229 hit

# 2 ページ3

.



「___ぃ」



まあなんやかんやあり今に至る。帰る手段も未だ見つからず、もう2年生。男しかいないけど後輩もできた。



「__おい」



もうこのままこの世界で生きていこうかな、なんて諦めまで出てきた。
今まで何とかなってきたんだから、成績も悪くないし生きていける気がする。




「おい、A!ちゃんと話聞いてたか?」



声を掛けられてびくっと肩跳ねた。
目の前で呆れた顔をしている彼は友人である1人だ。



「あーごめん。聞いてなかった。」


なに?と聞き返せば、


「お前話聞いてないことたまにあるよなぁ。」



もう一回言うから今度は聞いとけよ〜?なんて軽口を叩く彼は、男子校にたった1人の女子と遠巻きにされていたわたしに最初に話しかけてくれた、いわば恩人だ。



「オクタヴィネル寮でさぁ、ちょっと前に開いただろ?モストロラウンジ。行ってみようぜ。」



_モストロ・ラウンジ。
確か、1こ下のアズール・アーシェングロットくんが学園長に交渉して開いた店だ。
1年生なのにしっかりしててすごいなあ、というのが印象だ。



「うーん…別にわたしはいいけど…お金あるの?」



噂によれば、安いとは言えない値段っぽいし。
口には出さなかったけど、伝わってると思う。
それほどまでに、アーシェングロットくんが経営する店は有名になっていた。


「お金無いのに誘うわけないだろ。ワンドリンクくらいは買えるぜ!」


彼の冗談に、ふふ、と笑いが漏れた。



.

# 3→←# 1



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
100人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まとい | 作成日時:2020年4月2日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。