# 2 ページ3
.
「___ぃ」
まあなんやかんやあり今に至る。帰る手段も未だ見つからず、もう2年生。男しかいないけど後輩もできた。
「__おい」
もうこのままこの世界で生きていこうかな、なんて諦めまで出てきた。
今まで何とかなってきたんだから、成績も悪くないし生きていける気がする。
「おい、A!ちゃんと話聞いてたか?」
声を掛けられてびくっと肩跳ねた。
目の前で呆れた顔をしている彼は友人である1人だ。
「あーごめん。聞いてなかった。」
なに?と聞き返せば、
「お前話聞いてないことたまにあるよなぁ。」
もう一回言うから今度は聞いとけよ〜?なんて軽口を叩く彼は、男子校にたった1人の女子と遠巻きにされていたわたしに最初に話しかけてくれた、いわば恩人だ。
「オクタヴィネル寮でさぁ、ちょっと前に開いただろ?モストロラウンジ。行ってみようぜ。」
_モストロ・ラウンジ。
確か、1こ下のアズール・アーシェングロットくんが学園長に交渉して開いた店だ。
1年生なのにしっかりしててすごいなあ、というのが印象だ。
「うーん…別にわたしはいいけど…お金あるの?」
噂によれば、安いとは言えない値段っぽいし。
口には出さなかったけど、伝わってると思う。
それほどまでに、アーシェングロットくんが経営する店は有名になっていた。
「お金無いのに誘うわけないだろ。ワンドリンクくらいは買えるぜ!」
彼の冗談に、ふふ、と笑いが漏れた。
.
100人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まとい | 作成日時:2020年4月2日 21時