その音で殺して

7.ずるい男だ ページ25

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顔の角度を変えて、逃げ出そうとする私の舌を追いかけて。

｢…や、っめて…｣

抵抗してもビクともしない照の身体。
ガッチリとした男らしい身体にかなうわけない。



そのまま床に押し倒されて手首を押し付けられる。

｢本当は俺とどーにかなりたいくせにな？｣
｢………｣
｢はは、そんな睨まなくてもいいのに。俺のファンなんだろ？｣

下から見上げる照は私を見下ろして笑ってる。
両手の手首を繋がれて身動きが取れない。

頭の中で警報が鳴っているのに
この手を解けないのは私の意志の弱さなのかそれとも本当はこうしたかったのか。

｢何も言わねぇって事はいいんだな？｣

ずるい。ずるい。ずるい。
最終的な判断は私に任せるって？
ずるい男。



ろくな男じゃない事なんて、頭の隅でずっと分かっていたはずなんだ。
でもほんの少しだけ期待してた。
あんな音を出して、音楽を楽しんでる彼はそんな人じゃないって、期待してた。

…期待してた私が馬鹿みたいだ。


｢…好きにしてよ…もう｣

｢好きにさせてもらう｣

照が私の首筋に顔を埋めてほんの少し痛みが走る。


｢もう、俺から逃げられねぇから｣
｢別に…逃げようだなんて思ってない｣
｢随分強気じゃん。｣

顔つきが変わった。


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