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「俺らも行くぞ」
「え?ちょ、っ、」
肩にあった腕は退かされて一気に軽くなった。
私の事なんて気にせず歩き出す照に慌てて着いて行く。
「まって、どーゆーこと?ねぇ。」
「うるせぇな。黙ってついてこいよ」
「でも…っ、だって…ん、」
一瞬だった。
歩いていた照がぐるん、と振り返って。
そのまま私に…、
…キス…をしたんだ。
「はは、黙った」
キスされてもう何が何だか分からなくて。
驚きで心臓が激しく動悸する、ドクン、ドクンと耳に届く心臓の音。
……キスされた。
「なにつったてんだよ。行くぞ」
そう言って足が地面にくっついたかのように動けないでいる私の手を取って歩き出した。
途中で、タクシーを呼んで。
タクシーの中で手が離れて。
急に手のひらに風が当たって、何故か寂しさを感じて。
私の肩に頭を乗っけてきて照が。
あの時…電車の中でしたみたいに。
照の髪の毛が頬に当たる。香水の匂いを感じる。
…私は今、夢を見てるの?
右手で左手の甲を抓ったりしてみたり。
「…いった…」
小さな声が零れた、
目を瞑ってたハズの照が鼻でそんな私を笑ったんだ。
夢じゃない。
タクシーが止まって、ポケットからお金を取り出して私に降りるぞって言うから、私は素直にそれに従ってタクシーを降りる。
走り去るタクシー。心の中で行かないで、なんて言ってみた。
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とぅーか(プロフ) - Ayumiさん» コメントありがとうございます(;_;)書いては消してをずっと繰り返してて...更新したいなとは思ってはいるのですが(;_;)とりあえずこっちの作品を完結させてからになると思いますがもう少々お待ちください...!!!ありがとうございます(;_;) (2020年7月22日 12時) (レス) id: f46f442970 (このIDを非表示/違反報告)
Ayumi(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!とぅーかさんの作品大好きで、「たとえ罪に呑まれても」も愛読していたのですが、もう更新なさらないですか?描いてる途中だったりしたらごめんなさい!!この作品も大好きです!更新頑張ってください! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 394d7c4531 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーか(プロフ) - すぅさん» コメントありがとうございます(;_;)!そう言ってもらえて嬉しいです。更新がんばります! (2020年7月19日 8時) (レス) id: f46f442970 (このIDを非表示/違反報告)
すぅ(プロフ) - 本当に好きな話です (2020年7月19日 7時) (レス) id: 852e3073c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とぅーか | 作成日時:2020年7月17日 0時