惚れさせたい！

耳掛けの法則 ページ9

あの日から




先輩からの嫌がらせ？はないし、マネージャーの仕事も
慣れてきてそこは問題ないのだが…



悩みが２つ



一つ目。


あの日どうして先輩からの好意を『気持ち悪い』と感じたのか


今までなら自分から仕掛けて付き合っては
我が儘を言って困らせたり、自分に好かれようと必死な姿を見て
優越感を得ていたのに…


そうか。





中学生と比べて高校生の方が凄く本格的なのだ。



ナニがとは言わないが、上から下に舐めまわすような目も
告白するときのギラギラした狼みたいな目もいつか自分が
大事にしていたその、なんていうか…


ハジメテ？、とかファーストキスとか……



こんな人を玩具にする俺でもそ、そういうのは

大切な人としたいって思っているから。



だからこんなに怖いんだ





問題の二つ目。





有岡のタイプを知らない。



馬鹿じゃねぇの俺！！


これさえ知っておけば後は行動に移すだけじゃん？
なんで早く気づかなかったんだよー！？


でもこれがまた難関で…





直接聞いたら

『…………………』


無視。そんな無視の仕方ある！？ってぐらい無言



知念や裕翔くんに聞いてもらっても

『……アイツからだろ？』

と即見抜かれたらしい。


これが分かればイチコロなのに…







ウジウジしていても、しょうがないので

今、３人で作戦を実行するにあたっての最終確認を行っている




場所は教室

時間は放課後

そして、

ターゲットは窓際の自分の席で友人数人と談笑中。



「いい？涼介。これをちゃんと渡すんだよ？」

と知念が指さしたのは俺が作った手作りクッキー。
料理は得意だし、男は好きでしょ？そういうの。

まぁ、いらないっていわれちゃいそうだけど。

本題は

「そしたら、髪を耳に掛けて掛けてはにかむんだよ！！
　やまのその天使の微笑みで堕ちないおと『ゆ、裕翔くん！』」

そう！この実験は

「タイプがわからないのなら、手当たり次第にやってみよう！」シリーズの
記念すべき第1回目なのだ！

今の時代ネットで調べたらなんでも知れちゃうのを生かし、調べたモテる
テクニックを実行し、まとめてアイツ好みの

仕草やタイプを導き出すのだ！

まずは髪を耳に掛ける仕草から


「ありがとね！じゃあ実験してきます！」


見てろ有岡。

絶対あの日の仕返しをして、ドキドキさせてやる！

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