惚れさせたい！

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『…………立てるか？』






驚いて声のした方を振り返ると、







額に汗をかいて、息を整えながら手を差し出す
有岡の姿があった。








「………え？何で？」


『何でも何もおめーが居ないから探しにきたんだろ！ったく、ほら』


「あ、あり、がとう」






ぶつぶつ足が遅いだの何だの文句を言いながらも
手を引っ張って立たせてくれた有岡。




その時、






ズキッ！！







だけど立ち上がった瞬間に怪我をしていた方の足に激痛が走り


そのまま倒れそうになった俺を有岡は抱き止めてくれた。





『あぶねぇよ！お前』


「っ……へへっごめんごめん！」



心配を掛けたくなくてヘラヘラしてると
有岡は俺の足を凝視してきた。




『お前、足見せろ』


「へっ？」




有無を言わせず俺のジャージの裾を捲ると
無言で後ろを向いてしゃがみ込んだ




「あの〜有岡？」


『………乗れ』


「え？いいよ自分で歩けるし。」


『怪我してんだろ？いいから乗れ。』






歩けるのに。
申し訳無いと思いながらも大人しく広い背中に跨がった


トン、トンと歩くリズムが心地良い。





今までの俺だったら怪我とかしてなくても、運んでって甘えてたし
こんなにドキドキしない。




これって恋なのかな？









「有岡って優しいよね」


『何が？』


「こうやっておんぶしてくれるし、探してくれるし。」


『お前遅いしな。こっちの方が速いんじゃね？』


「な！？失礼な！！」


『てかさっきのバスの中で気持ち良さそうに寝てたな。写真あるけど？』


「！！！！？消せ！今すぐ消せ！」


『やーだねー。俺の肩で寝た罰〜』


「うぅ…いじわる！！」




知ってるよ。






気を遣わせ無いようにしてくれてる事。



優しいって言った時赤くなった耳も

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