惚れさせたい！

出発 ページ17

いよいよ出発の日がやって来て
今はバスに乗り込む時。



行きと帰りのどちらのバスも有岡の隣を手に入れた


ここでの作戦は「肩に寄りかかってドキドキさせちゃおう！」作戦だ。



昨日の夜。




知念と裕翔くんと電話越しで入念に確認した林間学校で
有岡を堕とす方法。



席に座り、バスが動き出してからしばらく経った車内では
各自カードゲームをしたり、昨日の特番の話や昨日眠れ無かったのか
寝ている人も。






隣の有岡はというと窓の外の景色を見ている。

せっかく俺が話し掛けているのに返って来るのは曖昧な相槌




むぅ。こっち見てよ。







何か気にくわなくて、早めの作戦決行に出た。





『………………！………何？』


「…別に？」


『あっそ…』







何も言わず有岡の肩にこてんと頭を預けると
意外にも受け入れた。


馬鹿とか早くどけって言われるかと思ったのに。



否定される前提で構えていた心は急な優しさに
ざわざわと音を立てる。



ていうか、





どうすればいいの！？これ！

ずっとこのまま！？誰か助言を！！




有岡はずっと外見てるし、かと言ってドキドキしてるようにも
見えない。


それに対して俺はドキドキしすぎだし、触れ合ってる部分が熱い







もう、何でもいいか………


真っ赤な顔を隠すように有岡の肩に顔を埋めた。





『……髪があたってくすぐったいんですけど。山田さん。』


「いいの。……有岡の匂い落ち着く。」


『そこで喋んなよ。……寝んの？』


「………ぅうん」


『はいはい寝るのね。おやすみ。』




こんな優しい有岡初めてかも…


髪を撫でてくれる手に包まれながら眠りについた。









『…………可愛い事してくれんじゃん。…おやすみ…』

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