タバコやめろよ【サボ】 (ページ8)

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「そっか…ほんと、悪かった。」

「いいって。…でも、確かに禁煙しなきゃだよねぇ…。」

シルクハットを取って頭を下げると、船医は俺の髪の毛をひと房取っては逃がしてを繰り返した。

「おう！…なぁ、船医が嫌じゃ無かったらガチで考えてくれねぇか？」

「…一応聞くけど、何を？」
「口寂しくなったら、俺とキスする事。」

船医は、俺の言葉を聞くなりその真っ白な顔を赤くした。

なんだよそれ、めっちゃ可愛い…。

「それは、遠慮しておくよ。…あと、今はあんまり顔見ないで欲しい…な…？参謀総長…。」

俺に背を向けた船医を、後ろから抱き締めた。そして、真っ赤な耳に唇を寄せて吐息と共に言葉を放った。

「…アンターク、めっちゃ可愛いぞ…？」

船医の顔は、湯気が出そうなくらい真っ赤だった。マジで可愛い。これ、期待しても良いって事だよな…？

やり過ぎると嫌われ兼ねないから、俺は船医の頬にキスをして船医の部屋を出た。廊下を歩くが今すぐにでも悶え騒ぎ立てたい気分だった。
まるで心臓を締め付けるかのような、それでいて全然不愉快じゃない胸の痛みに、左胸を抑えて歩く。

「…っはぁ〜、そりゃないぜ…。」

分かってる。船医は、俺に気があるから顔を赤くしたり優しい言葉をかけたりするんじゃないって事は。そう、船医はかなり初心なんだ。前にハックに撫でられただけで顔を赤くしていたし。

あれも、可愛かった。

「まぁ、ぼちぼち堕とすか。」

俺は、頭の後ろで手を組んで自室に向かった。