タバコやめろよ【サボ】 (ページ7)

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「うわ、どうしたのサボくん。めちゃくちゃ腫れてるじゃん…。」

結局、船医には殴られた。そりゃそうだよな。好きでもねぇ奴に勝手にキスされたら誰でも嫌なわけだし。

「なんでもねぇよ。」

「アンにキスしたら殴られたんだとさ。」
「おい、言うなよハック！」

「…どういうこと？サボくん？」

俺は、1から全部コアラに説明した。すると、コアラは複雑そうな顔をした。

「…まぁ、確かに喫煙はダメだよね。」

「だろ？…船医には長生きしてもらいてぇんだ、俺。可笑しいだろ。家族でもなんでもねぇのに。」

ただ好きなだけだ。お節介どころじゃない。船医にとっては余計なお世話だったかもしれない。いや、十中八九余計なお世話だったろうな。

「はぁ、これを機にアタックすれば？」

「そのつもりだ。嫌われっぱなしで終わるかよ。」

俺は、朝食を流し込んだ。そして、謝ろうと食堂を見渡すが船医の姿はなかった。

また、医学書でも読み漁ってんのか？

「サボ、とりあえず謝罪だ。」

「おう。」

「どうせ朝食食べずに医学書読み漁ってるから、持って行ってあげたら？」

「そうする。」

俺は、トレーに乗った朝食を手に船医の部屋に向かった。

「サボだ！」
「どうぞ。」

中に入ると、やはり医学書を読んでいた。船医は、俺の持つトレーを見て時計を見た。

「あ、朝食持って来てくれたんだね。ありがとう、参謀総長。」

「なぁ、船医。昨日は悪かった。急にキスなんかして…。」

「許すとは言えないけど、気にしないでね。忘れてくれたら嬉しい。私も忘れるから。」

「いや、わすれらんねぇ。」

船医は、少し首を傾げて俺を見た。ほんとに可愛い。どんな所作も可愛く思えるなんて、恋って怖いな。

「どういうこと？」

「アンターク。俺は、お前が好きだ。だから、忘れたくねぇ。…でも、ごめん。初めて…だったか？」

船医は、しばらく目線を泳がせて頷いた。少しの罪悪感が芽生えた。がしかし、頭の大半を占めるのは喜び。

俺が、船医の…アンタークの初めてを勝ち取ったのだ。