タバコやめろよ【サボ】 (ページ3)

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「…あ、参謀総長さんお腹痛めたんだね。」

「ちょっと食い過ぎてな。…って、そんな事も記録されてんのかよ。」

ちょっと恥ずかしいじゃねぇか…。

「ふふっ、食べ過ぎね。…貴方らしい。」

吊り気味な目がすっと細められた。

「誰も読めないカルテ」と呼ばれる船医のカルテ。その原理は至って単純なものだ。

船医は、自分の血の成分と別の血の成分を、それらを接触させる事で同化させ、操る事ができる。輸血用の人口血液も例外でない。ドラゴンさんは、それを利用して革命軍に居る動員達の情報を守る方法を見出した。

船医の血液と成分を同じにした輸血用の人口血液をインクにしてカルテを書いているのだ。

そして、その文字は船医の能力で見えなくなる。その文字を見る方法は2つ。1つは、今のように船医が直接紙に触れる事。2つは、船医の血液が50ml入ったビンを傍におく事。50ml以上、純正な船医の血液があったらそれに反応するらしい。

そのため、どの船にも必ず1つ船医の血が入ったビンがある。

「よし、治ったよ。」

治療を受けていたカモメは、傍で羽休めをしていたカモメの元へと寄り、体を擦り付けた後窓から飛び去って行った。

船医は、こうして良く動物の怪我の治療もしていた。その為、船医の部屋には高確率で動物が居る。この前なんか、甲板で海王類の怪我も治していた。その光景を見たドラゴンさんが、面食らっていたのは記憶に新しい。

俺は、シルクハットを脱ぎ部屋の隅に置かれている船医が読書する時によく座っている椅子に座った。

ほんと、この椅子座り心地いいんだよな…。

「完治だな。」

「ちょっと出血してただけだったから良かったよ。」

「そうか。」

「うん。…ねぇ、参謀総長。」

「なんだ？」

「コアラちゃん知らない？このカルテ、コアラちゃんが持って来てくれるって言ってたから。」

コアラと船医は、かなり仲がいい。島に着いたら必ず2人で行動している程。そのためか、船医は少し寂しそうだった。

本当に可愛い。