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俺は今、とても複雑な気持ちだ。
船医と島の様子を探るという任務を任されたからだ。
今上陸している島では、天竜人に献上される違法物資が取引されている。違法物資…例えば、人の目や臓器。悪質な物まで言うと、切断した女性の胸や美しい顔を持つ人の生首も取引に使われていた。
船医は、少しいつもと雰囲気が違っていた。
どうやら、船医の母親はその美しい髪色と目の色を見た天竜人に強引に連れ去られて行ったらしい。
きっと、怒ってんだろうな。
「あれが、ここらの管理をしてる天竜人か…。」
「そうみたいだね。」
カフェで町を観察していたら天竜人が通った。船医は、静かにでんでん虫でその天竜人の写真を撮った。
「ま、待ちなさいセドアル！」
天竜人は、アイスを持ち嬉しそうに走る子供を見た。運悪くその子は、天竜人の前で転んでしまった。
「ん？目障りな芋虫だなぁ。銃貸せ？」
「はい。」
天竜人は、銃口を子供に向けた。それはただの銃ではない。ショットガンだ。そんなものをまだ幼い子供に向けて撃ったら即死は間違いない。
「申し訳ございません！この子、まだ子供でっ！お許しください！お許しください！」
母親は、子供を抱きしめて涙を流しながら謝っている。すると、船医が席を立った。
「お、おい。何する気だ？」
「…平和的解決だよ。」
船医の虹彩の色は、血色になっていた。これは、能力を使っている証拠だ。
船医は、自分の血流を早める事で大幅に、強引に身体能力を上げていた。「スピードもかなり上がるから目をスピードに対応させないといけない」船医は、前にそう言っていた。きっと、目を強化すると血液が目に集まり目の内部の血色が強くなるんだろう。
また船医の、色素は全体的に薄い。だから、その血色が見えてしまう。
船医の目の色が変化するのはそういうメカニズムがあるかららしい。
「…おいおい、能力なんて使ってほんとに何する気だ？」
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作者名：四白眼 | 作成日時：2022年7月30日 13時
