オキナグサ (ページ9)

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恋をこえろページ9

社内恋愛設定
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〈フースーヤ・s〉

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「Aさーーーん！！！！」

廊下を歩いていると、後ろから私を大声で呼ぶ声とドタドタという足音

『びっくりした...お疲れ様』

「へへ、すんません笑おつかれっす！」

後ろを振り向くと
そこには息を切らしへらへら笑うフースーヤの翔くん降臨よいしょ

『どうした？なんか急用？』

「いやそういうんじゃないんすけど......ね、あのーー...」

『？』

頭を搔きながら口をもごもごさせる翔くんに首を傾げる私
どうしたんだろう

「今日、なんの日かわかります？」

『え？えーーーーー、なんだっけ』

「うそでしょ？！しっかりしてくださいよAさぁん...」

驚いたと思ったら急にしょぼんとする彼
本当、可愛いなぁ、なんて

『ご、ごめん、？』

「もーー！2月14日！！バレンタインです！！！！！！」

『あぁ、そういえばそうだね』

完全に頭から抜けていた
あげる相手いないよ、寂しい大人になったなぁ私も。なんて呑気に思っていると

無言でジーッと私を見つめてくる彼

『、ん？なんかついてる？』

すると大きいため息を吐かれた。なになに

「もーおー！！なんでわからないんすか！」

『えぇ.........ごめんって』

「ちょこ、」

『ん？』

「Aさんからの、ちょこ、欲しいです。」

眉を下げ、子犬のような顔でそう言った彼

胸が高鳴る音がした。
可愛い。なにこの子。

『あっ、えっと、私、何も持ってないや......』

明らかに戸惑った様子を見せる私、やばい。何故かすごい恥ずかしい

「ええーーーーーー？！うそでしょ、」

感情が全て顔に出る彼が愛おしくてたまらない

『完全に頭から抜けてた。ごめんね』

「俺今日それモチベに頑張ったのに..........」

明らかにテンションが下がった彼。子犬じゃん
私には見えるはずのないしっぽが見えるよ

『ごめんごめん。笑今度作って持ってきてあげるからさ、許して？』

そう言いながら随分と上にある頭を撫でてあげると
パァーっと表情が明るくなり、垂れ下がっていたしっぽがぶんぶんと揺れ始めた

「は、はい！！！！」

『ん、いい子』

「うーわ！今絶対単純なガキやな思ったでしょ、」

『んふ、ちょっとだけ？笑』

「もぉぉ......」

なんて口をとんがらせながら私の肩を掴みぶんぶん揺する彼

"心地いいなぁ"

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