オキナグサ (ページ18)

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ぶるーはーつページ18

〈9ﾚ・k〉
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『えっ、雨......』

仕事がなかなか終わらず、気づいたら定時をすぎていた

いつも通りと言えばいつも通りだけど

先輩にも手伝ってもらいやっと仕事が終わり帰ろうとしたら
雨が降っている。天気予報だと晴れだったのに...

どうしよう、と考えていると

「やっぱりか」

『へ、？』

大好きな人の声が聞こえて、疲労による幻聴かと思い
声が聞こえた方向を見ると、大好きな人が立っている。

『え、かざと、？なんで、』

「家出る時傘もってってなかったから、帰る時困るやろうなと思って」

案の定かいなと笑う彼に一瞬にして心が満たされた

『ほんっっと大好き...ありがとう』

「なんや急に、笑俺もよ」

ふと、彼の手元を見ると傘が1本しかないことに気づく

『あれ、？傘1本しか持ってこなかったの？』

「ん？あーー、」

そんなおっちょこちょいなことするような人じゃないのにな、と首を傾げる

「たまにはええやん。相合傘」

『へ？笑』

「なんか懐かしいことしたなってん笑ええからはよ帰るで」

傘を指し、照れくさそうに頭を掻きながら歩き出す彼に
ちょっと待ってなんて笑いながら、ぎゅっと腕を組む

『クールで有名な風斗さんにもそんな可愛い一面あるんですね〜』

「うっさいなぁ」

と、急に走り出した彼

『わっ、ちょっと！嘘でしょ？！笑』

黒く汚れた社会を生きる私たちの心はまだまだ青い＿＿＿

・end