オキナグサ (ページ16)

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車内にはしーんという音が聞こえるほどの沈黙が流れている。

なにか話そうと思ったけど、なんとなく、辞めておいた。

「Aってもっとしっかりしてる人だと思ってたわ」

沈黙を割いた彼の声に
ぼーっとしていたのもあり、少し体が跳ねた

『...えっ、どういうこと、？』

「そのままだけど」

彼の発した言葉の意味はわからないけど、
彼が私に対して幻滅したということは理解出来る。

『ごめん...』

「どうせわかってないでしょ...笑自覚ないやつの謝罪に意味があるとでも？」

ため息を着く彼と、本当になにもわかっていない私。

ここで本当にわからないなんて言ったら彼をもっと不機嫌にさせる元凶にしかならないけど、教えてもらわないとわからない。

『...申し訳ないけど、わからないから教えてほしい』

はぁ、と大きいため息を吐く彼。

私、そんなひどいことしちゃったのかな

「危機感がないっつってんの」

『え、？』

「見てみろよ今の自分の格好」

『いや、別にいつも通りなはずなんだけど...』

「はっ？そんな胸元開いてて、ブラも透けてるのがいつも通りって？」

たしかに、言われてみれば彼の言う通り胸元は開いてたけどブラが透けてるのは気づかなかった。

「もしかして飲み会の時からそんなだったの？ありえねえ」

『、お酒飲んだら熱くなっちゃって...無意識か、も、』

また、彼の大きなため息

「だからそれのことを言ってんだって。さっきのナンパもAが無意識に男寄せてんだよ。」

『私が悪いってこと、？』

「それ以外ないだろ。Aが飲みすぎたせいで熱くなって無防備な格好になってフラフラで歩いてたんだろ？こうなったのは誰のせいですか？Aでしょ」

「会社の飲み会だって本当は行かせたくないんだよ。でもAの仕事にも関わるからと思って許してやってんだからさ、Aも分かってるだろ。ならそれなりの行動してくれよ...そんな馬鹿と付き合った覚えはない」

半笑いでそう言い放った彼。彼の正論を突きつけられた私は、反省の気持ちと、心配はないんだという悲しい感情に包まれた

『ごめんなさい。それは私が悪い、気をつける』

「それはってなに？なんか言いたいことあるんなら言えよ」

『いや、、、心配とかは、ないんだなって』

「えぇ？笑自分が悪かったこと自覚した上で心配されたいの？それはさすがに引く」

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