オキナグサ (ページ13)

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side-you

「A、あのさ」

久しぶりにしゅんくんのお家にお邪魔してご飯を食べていた時
何かに悩んでいるような顔で俯いていた彼が口を開いた

『ん？』

いつもニコニコしているしゅんくんの暗い顔。初めてみた

「俺、Aとこれからもずっと一緒にいたいんよ」

予想もしていなかった意味不明な発言に思わず動きが止まった。

『えっ、うん。わたしもだよ？』

「ごめんな急に意味わからんこと言って。たぶん今から俺が言うことも全部意味わからんと思うけど聞いて欲しい」

しゅんくんといる時には感じたことの無い緊張感が空間いっぱいに広がる

「俺、ほんまはAが思うようなかっこええ男ちゃうねん」

「ほんまは、こんっっなちっちゃい男なんよ」

と、ほうれん草のおひたしの上に乗った胡麻を指差す彼

『えぇ、？笑そんなことないよ？？』

「んーん。そんなことあるねん。俺なぁ、実はずっと我慢してた」

『へっ？』

私に考える隙も与えず、話を続ける彼に戸惑う

「Aが会社の男と飲み行くのも遊びに行くのも嫌らしいねん。俺」
「最初はなんとも思ってなかったよ？」
「でもさ、俺よりそっち優先するのはさ？違うやん、？って。」

「Aにとって彼氏って、そんな低い位置におるん？」

眉を下げ悲しそうに笑う彼に、はっとした。

なんで気づけなかったんだろう。
一番好きなのはしゅんくんのはずなのに
しゅんくんは"彼氏"だからって安心してた。
一番好きな人を一番大切にできてなかった。

挙句の果てにはしゅんくんを悩ませて、悲しませて、、最低じゃんか

『しゅんく、ごめ、私、』

「大丈夫。Aは悪ないから」

正直に言えんかった俺が悪いなんて微笑む彼。
こんな良い人を傷つけてしまったという罪悪感が私を襲い、涙が止まらなくなった

「もぉ、泣かんとってーやぁぁ笑」

『ごめんなさい、ほんと、私っ、最低なことしてた...』

「だぁいじょうぶ！笑ほら！笑いなさい！」

と、私の口角を無理くりあげられる。

『いたい...笑』

「うわっ、まぶしっっ！！なにその笑顔！金メダル級やでほんま〜」

貴方がこの世にいる限り、
私の一番はずっと貴方＿＿＿

・end