オキナグサ (ページ11)

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アバズレページ11

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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

見慣れた扉を眺める。こんな生活いつまで続くのだろうか。

終わりにしたいのに、終われない。終わらしたくない。

「ん、はいり」

『お邪魔します』

首元がよれたTシャツ

伸びきった髪

如何にもクズって感じ。会う度思う

私と風斗の関係は、俗に言う""セ×クスフレンド""。嫌な名称だなんて文句垂れても事実だからしょうがない。

彼から家来れる？と一通のLINE
これはセ×クスしようの類語

いけるよ〜と返して、最低限の準備をして彼の家へ向かう

これがいつもの流れ

〜

「風呂は？」

『一応入ってきたけど』

「やるやん」

そういって口角を上げて笑う彼に胸が高鳴った

『でしょ？』

「ほんまに。できる女」

と言いながら私にゆっくり口付ける。こんなの落ちないわけがない。

『かざとっ、』

「っん、？」

『もっと、、っ』

前に、彼のスマホ画面がたまたま見えてしまったことがある。

そこにはLINEが映し出されていて、画面いっぱいに女性の名前があった。

私だけじゃないことなんてわかっていた。私もそこまで馬鹿な訳じゃない

でも彼と一緒にいるには""馬鹿な女を演じる""しかないの。

いつしか私はこの状況を楽しむようになっていた。
私も随分汚い女になったなぁ。ごめんねママ

「すきっ、」「Aだけやで、っ」と

行為中に耳元で囁かれる数々の言葉は
今の私にとって何の興奮材料にもならない。

たぶん風斗は私の好意に気づいていた

私にわざと思わせぶりな態度を取り、私がどういう反応をするのかを楽しんでいたのだろう

私の想いが叶う確率はゼロ

それなら

私も好き勝手させてもらおうじゃない。

ｾ×ﾚ
貴方が好き。だけど、この想いを打ち明けてしまったら関係が壊れてしまう。
だから、私は我慢するの......可愛そうで惨めな女。

全力で演じてあげる

貴方の思い通りになんてさせない

今度は私が貴方を嘲笑う番よ

乱れ合う男女と、彼が脱いだ綾波Tシャツ。

心做しかプリントされた綾波レイが哀れんだ目でこちらを見ている気がした

何も知らない彼は私に体重を預け、必死に腰を振っている。

『馬鹿だね』

なんて、私の囁きは彼の吐息によってかき消された

似たもの同士、ずっと、仲良くしようね＿＿＿

・end