オキナグサ (ページ1)

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鏡のない世界でページ1

〈9レ・k〉

┈┈┈

「お前また男増えたん？ええ加減にせえよほんま笑」

京極風斗。元彼＿＿＿

別れてからすぐは、お互い思うこともあったため関わりを絶っていた。が、

別れてから数ヶ月経った頃

風＜飲み行こ

と、一通のLINE。

それをキッカケに定期的に飲みに行くようになった

『ほらまた嫌な言い方する。増えたも何も求められたからそれに答えただけですー』

「あらあらそうですか」

「随分変わられましたね...」

なんてどこか悲しそうに言い放った彼
貴方のせいですけど？と言いたくなった。けど、言えない

私と彼が別れた原因。

簡潔に言うとすれば、倦怠期に勝てなかった。

なかなかド定番な別れ方をしたなと自分でも思う。

お互いがお互いに慣れ始めて、恋人というより友達に近い感覚になってしまっていた。

同棲していた私たち。

いつも通り、2人でソファに座っていた。

「なあ」

『ん？』

「＿＿別れようか」

『...だね、』

私がそろそろ私たちも終わりに近いのかなと考えている間、
彼も同じようなことを考えていたんだと思う。

お互い納得して別れた。たぶん

別れてからの私は、なにかがぷつんと切れたかのように遊び呆けた

まるで心に空いた大きな穴を埋めるように。

いろんな人と関係を持った。

失ってから気づくってこういう事なんだ。
やっぱり好きなんだな、と

もう戻れない過去に縋る自分に嫌悪感を抱き、

少しでも考えるのを辞めようとして、

またダメな方へ向かう。

心の穴は一向に埋まらなかった。

風斗曰く、
私の変貌ぶりを共通の友人から聞き、心配になって連絡したらしい。

ずるい

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