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流石に接合部分を刺されては蘇生出来ないようで
「ありゃ〜…」
「ォ"…グゥ」
「余り動くな
貴様の血で俺が穢れるだろう」
取り敢えずは結果オーライというやつだ
聞きたい事は山積みなのだから
「ねえねえ」
「あ?!クソ、この刀早く抜けよ…!腕の再生が出来やしねぇ!」
ドゴッ
「ォア?!」
見ると長谷部が刀の柄を綺麗な踵落としで見事に地にめり込ませていて
サンドされていたそいつの頭はミリミリと音を立てる
「黙って答えれば命は取らんと主が仰っているのだぞ」
「クッソ…図に乗りやがってアマが」
再び鈍い音が響く
「わ"か"っ"た!」
「ほいほい
じゃぁまず貴方は誰?というか何?人間じゃないよね」
「フン
鬼さ
貴様らみたいな人間を喰らって生きるな」
「鬼ぃ…人間はこの世界にいるのね
じゃあ今はいつ?」
「なんでんな事までてめぇに教えな」
三度
いよいよ一番下に突き刺されていた腕が地面にめり込み始める
「大正です」
「よろしい
大正…そりゃまた辺鄙なとこに迷い込んじゃったねえ」
「ふむ…出陣先に大正などある筈がありません」
「となると転移陣の暴発ではない…政府の陣で飛べるのは江戸まで」
「ではここは一体…?」
多すぎる謎に頭を抱えていた時、後ろから眩い光が指す
「おや、日が…」
「っ、おい!アマ!刀を抜け、なあ!頼むよ!」
「そんなに陽の光が嫌い?引きこもりなのあんた〜」
「頼む、抜いてくれ、後生だ、俺を逃がしてくれなあ!頼むよ!あぁ、日が!日が!!」
そいつの切羽詰まった様子を見ると只事ではないらしい
まだまだ聞き出せていない情報が幾つもある
ここでくたばられて困るのは私達もだ
「…長谷部」
「ふむ、逃げ出した際は俺が処理をしましょう」
そして、長谷部が刀を引き抜くより先に日が昇る
「あ、あ、あ…」
「ッ」
陽の光を浴びた途端、そいつの体がボロボロと崩れ始める
「あら…」
「おぉ…」
ものの数秒後には完全に崩れ落ち、完全に日が昇りきった頃には長谷部の本体が地に刺さっているのみとなった
まるで、そこには元より何も無かったかのように
「「……」」
ふう、と息をつき裾に着いた土を払う
眩い光が容赦なく一人と一振を照らす
「…主」
「鬼は陽の光に当たると消える…と」
名前すら知らぬ鬼一体の死によって得た情報を楽しげに抱えて
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雪桜 - 鬼滅の刃と刀剣乱舞のクロスオーバーの話は好きなので続き待ってます! (2020年11月29日 20時) (レス) id: 22c6e8b5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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