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そうしてまた目隠しと鼻栓と耳栓のセットで顔の穴という穴を塞がれて、日が暮れる前に屋敷を後にする
例の蝶屋敷に戻ると、広い屋敷の一室に集められた10数名の隠と、第一部隊、そして一振も欠けていない収めた刀達
「よかった……」
兎にも角にも刀が無事だった事に心より安堵する
少々大胆な賭けにはなったが、雑ではあるが和解もできた……と思いたいし、これで漸くひと段落できる事になる
「主、交渉の方は」
「決裂ではないよ
長谷部に命令出しちゃったのは焦っただけ
いや〜向こうの会話術が上手くって引き込まれちゃった」
「それだけなら、よいのですが」
茶化して見せたが、正直あの掌握術はまずい
本気でされると対面で勝てる気がしない
「この屋敷はご自由にお使い下さい
一般の者が訪れる事もありませんし、鬼殺隊の者もここには来ませんので」
「そっかー ありがたいな
私たち1文無しだから」
「は?」
「1文無しよ、1文も
ノーマネー」
「……では衣食住はこちらの方で手配させて頂きます」
正直これが1番ありがたい
この世界の第1目標であった"安置を取る"という事は達成出来た
それに腹が減った そう お腹が
よく考えなくても数日間飲まず食わずである
なんで生きていたかが不思議な程です 審神者補正か?
「それで主、情報などは」
「ご飯食べたら1回会議ね
第一部隊で」
「承知しました」
「は〜〜〜〜〜〜〜〜」
畳に大の字で寝っ転がってクソデカため息を零す
何日ぶりの畳だろうか てか何日?何日経った?
「夜、何回あった?」
同じく大の字に寝転んで刀本体などどっか遠くに放ってしまった長谷部か天井を見ながら答えます
「俺と主の2人で迎えたのが1つ、山を落としたので2つ、遡行軍の襲撃と鬼殺隊ので3つ、そして蝶屋敷ので4つです」
「じゃあ今日でここに来て5日目?なんで生きてんだ私」
「補正でしょう」
「そう思う」
補正です
「お早いですが、夕食になさいますか」
そういってひょっこり顔を出したのは髪を真っ白に染めた老婆だった
「たべる!」
「それではお持ちしましょう」
ものの数分で目の前に2人分の食事が運ばれる
ああ食事だよ それも彩り豊かな
「俺は結構です」
「あら、そうでございますか」
「ほうほうふぃらんほはふへは」
「主口の中に入れたまま喋らないで下さい」
「ほいひい」
「良かったです」
ハムスターもさながらに両頬いっぱいにご飯を詰め込んで高速で咀嚼嚥下を繰り返します
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雪桜 - 鬼滅の刃と刀剣乱舞のクロスオーバーの話は好きなので続き待ってます! (2020年11月29日 20時) (レス) id: 22c6e8b5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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