両勢力 対面 ページ41
道中は人力舎だか馬車だか牛車だか、兎に角移動手段を幾度も変えて移動した。腰の秋田からは、今3つ目の山を超えただとか、全てあの隠の者達による運転、どうやら同じ道を何度も通っているなど途中途中情報を交わしながら、大雑把に目的地までの道筋は把握させた。同じ道を何度も通っているのはカムフラージュの為だろう
「手を取って降りて下さい
後はそのまま 」
両手を取られ、されるがまま屋内へ入ったと秋田から知らされる。流石に屋内からは鼻栓と耳栓は外して貰えたが、目隠しは未だ健在のまま、一歩一歩進む度に軋む廊下の音を聴きながら手を引かれる。小さく襖の開く音が聞こえ、やがて下を向いたまま腰を下ろすよう指示される。後ろに2人が続き、ゆっくりと目隠しが外された
「 此方から呼び出したのにも関わらず このような無礼を申し訳なく思っている 」
「─────」
眼前には 無 が "居た"
確かに そこに
ただ 無 というだけが広がっている いや、居る そこに 確か に ?
目を奪われた というが、これはそういった物の類いでは無い 確かに
「───審神者です」
「私は 産屋敷耀哉 他は 杏寿郎から聞いているね 」
「九十七代目当主 鬼殺隊 の最高管理者、 御館様 」
両脇にある行灯が 産屋敷の顔を薄暗く映す
顔の上半分に火傷の様な痕がある 焼けただれた あの あの 藤と同じ 毒々しい紫色 目に光はなく 死 や 絶望 そういったモノの対極 悟り 虚無 空虚 無 無───の具現化の ような
まずい
とっくに危険信号が出ているのに ダメだ これは まずい
こいつ、人の心を掌握するのが異常に上手い
「 君たちは 敵か? それとも 」
「無駄な血は流したくない 此方も 其方もでしょう」
今にも張り裂けそうな空気感に身が震える 下手は打てない 早く 早くやり過ごさねば
「 うん そうだね だから もし もしそうであるなら 私たちは君たちに危害を加えない 」
「そうか なら──」
『襖の前後左右に 居る 四人
山姥切が、確かにそう伝えた
「っ!」
瞬間 張り詰めた糸が音を立てて切れるように 審神者が後に飛び退くと同時、二振りが柄に手をかけたまま前に出る
「
かかった そう確信した
247人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪桜 - 鬼滅の刃と刀剣乱舞のクロスオーバーの話は好きなので続き待ってます! (2020年11月29日 20時) (レス) id: 22c6e8b5c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ