審神者は鬼を切れるでしょうか【刀剣乱舞×鬼滅の刃】 (ページ33)

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へし切長谷部、燭台切光忠、そして初期刀の山姥切国広
三振りを含めて、やっと落ち着いた状態で会議を開く
地べたに座り込んで一息を着くまもなく、議題に入る

「まず大前提だけれど、我々は非常に不利な立場にある」

正直に言って不利どころの話ではない

「まず私たちは本丸にいない……つまりは"歴史"を見ている訳ではなく、"現在"を生きている
しかし時間遡行軍は姿を現した。時空の隙間と共に」

これが何を意味するか

「少なくとも、時間遡行軍は"今私達が生きている現在"を観測できている、つまりは"歴史"を見ているかもしれないという事」

「であればここは過去、と言う事になるのだろうか」

「分からない…遡行軍にとっては過去かもしれないし、私達からすれば、今までこちら側の政府が観測できていない、もしくは違う世界線の何か……？なのかも」

「まあ、時空の隙間が出ていたあたり遡行軍は観測できていると判断するのが妥当でしょうな」

「観測出来れば干渉できる……しかし我々は観測出来なくとも干渉できる」

「後者は1番危険で愚かだ」

「はい……」

私達は"正しい歴史"を知らないのだ
そこへ闖入した我々が干渉する事は余りにも愚かだ
遡行軍は歴史を変えようと動くのだから、まあ撃退することに変わりは…ない……

「……何故遡行軍はあれだけの大軍を一挙に……」

遡行軍の力が大きくなればなる程に、そこは歴史を大きく動かす特異点である事が殆どだ

「……もしかすると主が壊滅させたっていう鬼と、この山、歴史的に凄く…重要な役割を持っていたんじゃないのかい？」

シン……と場が静まり返る

「いやけど……でも……えっと……」

「そもそも！先の奴らは歴史遡行軍の姿形は未知の存在と言っていただろう！今回の襲撃が想定外だっただけで普通ならば比較的低レベルの遡行軍も現れる筈、煉獄などに匹敵する実力者がいるのであればその程度、造作もないでしょう！」

主を肯定する言葉だけはいつも以上にスラスラ出てくるんだね、と視線で光忠が圧をかける

「つまり長谷部はこの世界軸…と仮定して、つい今しがたの襲撃が遡行軍の初干渉と言いたい訳ね」

「はい」

「だとすると主が多少なりとも変えてしまったかもしれない歴史、さらに変えようとした……もしくはそもそも襲撃する予定で鉢合わせになったのかもしれないが、……客観的に見ると俺達も時間遡行軍だな」

「しかし、時間遡行軍にとって我々がイレギュラーなのは確かだろう」