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それから、煉獄と名乗る人間から全てを聞いた
鬼という存在の事
鬼殺隊という組織の事
我々の存在は伝令によって既に鬼殺隊に知られているであろう事
竈門炭治郎と名乗る少年からは、一概に鬼全てが有害ではないとの事を、鬼である自らの妹をもって力説された
そして何よりも、"彼らにとって時間遡行軍は未知であった"事
そして聞かれた
君たちの目的は何か─────と
目的。言われてみれば特に決めていないし、目的云々の前に安全を確保しようと言った矢先がこれなのだから
害を与えてこない鬼を殺す趣味は無いし、正直言えば"目的"といえば遡行軍を狩る……以外にしてこなかったのだから、いざ自由になって何をするのかと聞かれれば、そう簡単に答えは出ない
「俺達は後に蝶屋敷に向かう
話せば長くなるが、鬼殺隊の前線基地と解釈してくれれば相違ない
そこでだ」
「私達にも同行して欲しいという訳か」
「任意で構わない
君達がどういった組織なのか、鬼、鬼殺隊、それらからどういった立ち位置にいるのか
君たち程の強大な勢力ともあれば、我々の鬼殺隊も目を瞑ってはおけない」
要するにまあ、部外者如きがいきなり現れやがった挙句とんでもない敵まで引き連れてきた───と思われている───敵対するのであれば別だが、そうでないならば身分の潔白を証明した上で各々トップと話せ、と
そういう訳だ
「出立までは時間がある
それに、君が人を殺めるのを良しとしない人格者であるのならば、友好な関係を結びたいと御館様もお考えになるだろう」
そう言い残して、四人……一匹…?は下山していった
背中に刺さるのは97振りの視線
長谷部によって綺麗に整列させられた刀の前に立つ
脇に燭台切光忠とへし切長谷部を添えて。
「主、皆の意思は同じです」
長谷部の説明を受けて、一応全振り状況は把握している
それでもこうして目の前に跪くと言うことは、そういう事なのだろう
さて、どうする
これからの目的ですが、特に何も決まっていません♡などとこの空気感でほざいて許されるわけが無い
高を括って大きく息を吸い込む
「突然の呼び出し、申し訳ない
長谷部からの説明があった様に、本丸に帰還する手立ては今のところ不明です。
そんな中、後先考えず呼び出してしまったのは私の愚行です」
97振りの前に立つ審神者が、深く頭を下げる
刀達も、それに対し揃って目を伏せる
我々が責めて良い事でない、と
「さて、今後の方針について話し合いたいと思います」
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雪桜 - 鬼滅の刃と刀剣乱舞のクロスオーバーの話は好きなので続き待ってます! (2020年11月29日 20時) (レス) id: 22c6e8b5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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