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政府に報告した後、他の審神者に似たような事例がなかったかと聞き回るも、どこも首を横に振る
…やはり短刀達の勘違いか、とは考えにくい
数えるのも馬鹿らしくなるほど出陣した彼らが「感じたことの無い気配」と断じたのだ
彼らがそう述べるのであれば、あるのだろう
己が鍛え抜いた刀達を信じるのが主の務めであるが故に
全ての書物が集まる蔵で情報をかき集めていた審神者は、静かに目を伏せる
「感じたことの無い…
気配のみ…
姿は確認出来ない…
出現条件…?
…情報が足りないなあ」
ふう、と一息つき、作業台の脇に置いてあった湯呑みを啜る
「っと、主ここに居たのかい
そろそろ完全に日が落ちるよ
湯浴みでもしてきたらどうだい?」
「湯浴み…ねぇ
みっちゃん、私ちょっと調査行ってくる」
「あ、もしかして巴形薙刀の気配とかなんとかってやつ?主が戦場へ出るなんていつぶりかなぁ」
「夕飯までには戻るよ
今日は何?」
「はんばーぐ」
「ウッッッ…すぐ…戻ってくる…」
「うん。そうしてくれるといいな
あ、主くれぐれもね
主を疑ってるわけじゃないし、あの6振りなら主を任せられる
けど、一応ね」
「うん。
いまつる!秋田くん!出るよ〜!」
刹那、蔵の入口からいまつるがひょいと顔を出す
「りょうかいですよ〜!あきたがあとごふんでえんえいからかえってくるので、じゅんびはそれまでに」
「おっけ〜
第二部隊全員に声掛けといてね」
「おっけーです」
「まさか主直々のお呼び出しとは…」
「いつぶりかな、主が戦場へ向かれるのは」
「ほーんと」
「ん、平野くん、不動くん、信濃くんと
お、小夜ちゃん〜」
「ごめん、主
江雪兄様との手合わせが長引いてしまった」
「おけおけ、いまつるは秋田くん呼びに行ってる感じ?」
「はい。恐らくもう来るかと」
「おそくなりましたよ〜!」
「申し訳ありません、主君」
「いいって事で。そんじゃ上田城、気配を察知した場所まで」
「はい。ふどう、あきた、ひらのはあるじのしゅうへんを
ぜんせんはさよとしなの、ぼくがはりますよ」
「日は完全に落ちて真っ暗…だけど」
「我々の独壇場という事ですね。」
「そゆこと〜
それじゃぁ」
「"私を護りなさい"」
「「「「「「了解」」」」」」
音もなく地を蹴る
と同時に、"今まで感じた事の無い"胸騒ぎが押し寄せる
重々しく本丸の扉が閉じるのが
やけに遅く感じて
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雪桜 - 鬼滅の刃と刀剣乱舞のクロスオーバーの話は好きなので続き待ってます! (2020年11月29日 20時) (レス) id: 22c6e8b5c8 (このIDを非表示/違反報告)
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