ｻｸﾗ色 (ページ14)

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店員さんが持ってきたミルクティー。

ミルクが多めで甘くて、私の好きな味だった。

健「どう？おいし？」

優しい目で私を見ているかと思えばそう聞いてくる先輩。

「とっても美味しいです、ありがとうございます」

俺にもちょっと頂戴？って私の手からミルクティーをとり、ティーカップに口をつける。

わ、関節キスだ……。

自分で思っときながら恥ずかしくなって少し俯く。

健「ふふ、関節キス恥ずかしくなっちゃった？笑」

意地悪く微笑む健人先輩。

「ｯ……そんなことないです！」

かーわい、何て言って私の頬へ手を伸ばそうとしたその時

？「Aちゃん？？」

忘れたいのに忘れられない高くて柔らかい声で私を呼ぶ声が聞こえた。
それと同時に私の頬へ伸びていた手が止まる。

そちらを向けばそこには予想通り桃香ちゃんと聡くん。

「あ、、桃香ちゃん」

桃「偶然だね！ここのお店可愛いって話してて入ってみたんだけどまさかいるなんて思わなかった！」

そうやって無邪気に笑う彼女は私には眩しくて、敵わないなって現実を突きつけられてまた俯いてしまう。

聡「あのさ……健「Aちゃん」

私に声をかけようとした聡くんの声を遮るようにして私の名前を呼ぶ健人先輩

「健人先輩……?」

健「もうそろそろ帰ろっか、ミルクティー飲み終わった？」

「あ、飲み終わりました。」

健「じゃあ行こ？」

そう言って伝票を持ってレジへと向かう健人先輩

桃「あ、ごめんね、中島先輩とのデート邪魔しちゃったかな。」

「ううん、大丈夫。」

2人を見ていられなくて、でも、その繋がれた手を羨ましいと思うとその場に張り付いたように脚が動かなくなった。