疲れた顔 ページ10
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お昼休みが終わるギリギリに、二人でオフィスに駆け込むように戻った。
部長が「おっ。ちゃんと戻ってきたか」なんて言って優しく笑う。
部長に微笑まれると、ものすごく照れる。
よかったね、って心から祝福してるような柔らかい笑顔は恥ずかしくて、くすぐったい。
あははって俯きながら自分のデスクに座ろうとしたら、カズが「はぁああーー！」と伸びをしながら声まで漏れてるため息をついた。
「何、その顔」
カズが顎をつき出すようにして私を睨んだ。
「顔？なんか付いてる？」
ほっぺを触りながら鏡を出そうとしたら、「デレデレ」と冷たく吐き捨てるように言われた。
「そんなに幸せ？翔ちゃん優しい？」
「えっ……優しい……って。うーーん……」
優しいというのが具体的にどういうものなのか考えてしまう。
優しいというよりも、ひたすら甘いという方がぴったりくるんだけど、櫻井のイメージもあるからそれは言わない方がいい気もするし。
「うーーん……」
答えに困っていると、カズがふはっと笑った。
「おい。そんなに考えるか？」
櫻井が私とカズの間に入ってきて、コツンと私の頭を叩いた。
「これ頼む」
「あーー、はいはい……」
櫻井とカズが仕事の話を始めたから、すーーっと離れて、助かった、と息を吐いた。
櫻井が触れたところが、じわじわと熱くなる。
耳が赤くなってるのが分かる。
「しんどい……」
カズが独り言か、誰かに向けた言葉なのか分からないくらいの声量で発して、頭を抱えている。
「カズ……？」
小声で顔色を伺うように話しかけるけど、俯いたまま微動だにしない。
横顔の顎のラインが、なんだか痩せたような気がする。
「カズ？ねぇ、具合い悪いの？」
「うん。最悪。吐きたい」
「吐きっ……大丈夫なの？早退した方がいいんじゃない？」
「帰っても部屋散らかってるし、食べ物ないし、嫌だ」
「え？」
カズはわりと自炊もするし、きちんとした生活ができる人なのに。
「…………Aの……ハンバーグ……食べたい」
カズがデスクにうつ伏せて、前髪に隠れた隙間から覗いた左目を私に向けた。
少し潤んだ瞳が、苦しそうに揺れ動いている。
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ゆうこ(プロフ) - ありゃや…かずくんもう少し来てほしかったです笑…松本くんも！求めすぎてすみません。楽しかったです。ありがとうございました！ (2020年6月7日 17時) (
レス) id: 3b1910051b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - kanaさんのお話全部面白くて好きです。 (2019年12月10日 12時) (レス) id: 9211634299 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» カズくん応援(笑)でも私もカズくんがんばれって思ってます(笑) (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - Ninome617さん» ありがとうございますー。内容忘れちゃいますよね。ほんと申し訳ないです。がんばります！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - 咲詩(さきうた)さん» ありがてぇー。ありがてぇー。カズくんをどこまで動かすかがまだ決まらない(笑) (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2019年8月12日 7時
