職場恋愛 ページ9
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「A！」
お昼休みに入るところで、営業先から戻ってきた櫻井に呼ばれた。
オフィスに響く自分の名前に動揺する。
カズに付き合ってるって言ってから、櫻井は職場の他の人にも隠す気はないらしくて、堂々と名前で呼ぶし、ひやひやすることもあるけど二人きりの時以外はあっさりした感じだ。
家でのべったりした感じなんて、誰も想像しないと思う。
「今からだろ？お昼。
外に食べに行こう」
「う、……うん」
気にしすぎかもしれないけれど、周りの視線が気になって俯いてしまう。
職場恋愛ってなかなか大変だなぁと戸惑っていると、部長が菩薩のようににっこりとした笑顔を私たちに向けていた。
「ちゃんと昼休み中に戻って来いよ」
ひらっと手を振る部長は、先輩を口説いてる時に午後から帰って来なかったことがある。
櫻井もそのことを思い出したのか、「部長が言う？」と笑った。
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櫻井がお蕎麦が食べたいというので、さっと済ませて残りの時間を過ごすためにカフェに来た。
ここもお昼なのでお客さんが多くて、カウンターの席に並んで座った。
アイスのカフェラテをストローでかわいく吸ってから、櫻井がスマホを出した。
「結局、慣れだと思うんだよね」
「ん？何が？」
突然の会話のスタートに、なんのことを言っているのか分からない。
「これ。俺へのLINEは全部このスタンプね」
櫻井がスマホを私に見せた。
「え？なにこれ」
櫻井のスマホを受け取ってじっくりとそのスタンプ一覧を見る。
赤いジャージを着た女の子なんだけど、翔くんおはよう、とか翔くんお願い、というようにすべての言葉に「翔くん」が付いている。
「その子ちょっとAに似てるし」
「似てる……？似てないでしょ」
私はこんなにハートを振り撒きながら名前を呼んだりしない。
「で、俺はこれを使う」
櫻井が私の手からスマホを取り上げて、違うスタンプを見せてくれた。
縦書きの筆文字と、赤い翔の印のスタンプ。
「いいだろ？」
櫻井が楽しそう。
「推してきますね……」
「これくらい基本ですよ。営業ですからね」
爽やかに笑いながらスマホを触っていたかと思ったら、私のスマホが連続で振動した。
見ると、櫻井からのスタンプのプレゼントと、
【どうぞ よしなに 翔】
というスタンプ。
「…………」
「戻ろっか」
櫻井が私の手を取って、ぎゅっと繋いだ。
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ゆうこ(プロフ) - ありゃや…かずくんもう少し来てほしかったです笑…松本くんも！求めすぎてすみません。楽しかったです。ありがとうございました！ (2020年6月7日 17時) (
レス) id: 3b1910051b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - kanaさんのお話全部面白くて好きです。 (2019年12月10日 12時) (レス) id: 9211634299 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» カズくん応援(笑)でも私もカズくんがんばれって思ってます(笑) (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - Ninome617さん» ありがとうございますー。内容忘れちゃいますよね。ほんと申し訳ないです。がんばります！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - 咲詩(さきうた)さん» ありがてぇー。ありがてぇー。カズくんをどこまで動かすかがまだ決まらない(笑) (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2019年8月12日 7時
