振り回される ページ6
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櫻井がリビングを出て行くと、大きなため息が出た。
どろどろに溶かされそうなくらい甘い顔をしたかと思ったら、突然とって食われそうな鋭い目をしたりするから。
櫻井に振り回されっぱなしだ。
「なんなの！だいたい櫻井のせいなのに！
私が悪いみたいでむかつく！」
一人で怒りながら服を着て、グラスに残っていた氷を口に入れた。
口の中でゆっくりと氷を溶かしながら、火照った身体と頭を落ち着かせる。
べったり甘いなら甘いで、一貫してくれたら私だって慣れてくるし、上手くかわせるようになると思うのに、櫻井はコロコロとキャラが変わる。
知らない表情がまだまだ出てくるみたいで……。
…………少し、怖い。
「A？」
「えっ？！」
突然後ろから呼ばれて、身体が大きく震えた。
「髪乾かしてーー」
「なっ……！」
櫻井が私の肩に手を置いて、後ろから首筋に頬を擦りよせるようにくっついてきた。
ぽたっと櫻井の毛先から落ちた雫が、私の鎖骨に落ちて胸の谷間に流れていく。
過剰に反応しないように身体に力を入れるけれど、心拍数はどうすることもできない。
「A？」
櫻井が甘えた声でかわいく言う。
「自分でして！」
「えーー？俺、身体拭いてあげたじゃん？」
「だってそれは櫻井が！」
「俺のせい？」
「そうでしょ？！」
「えぇーー？」
言い合いになりそうになったとこで、櫻井が人差し指で私の口を塞いだ。
ひゅっと息を飲むくらいに緊張が走る。
「A？」
今度は低く、掠れたような吐息混じりの小声で呼ばれた。
ドクン、ドクンと大きく全身で脈を打つ。
櫻井が勝ち誇ったようにフッと息を吐いた。
ああ……私がその声に弱いってことに気付いたんだ、と思って逃げようとしたら、瞳で制された。
もうだめだ、と思う。
「A」
櫻井の挑発的な眉と、吸い込まれそうな大きな瞳に動けない。
ぷっくりとした唇が、スローモーションのような速度で動く。
「逃がさないから」
櫻井の言葉に、表情一つ変えることさえできない。
櫻井がゆっくりとした動きで後ろから回ってきて、隣に座った。
固まっている私の肩に櫻井の腕がのせられて、寄りかかるように引き寄せられて、身体に力が入ってないことに気付いた。
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ゆうこ(プロフ) - ありゃや…かずくんもう少し来てほしかったです笑…松本くんも！求めすぎてすみません。楽しかったです。ありがとうございました！ (2020年6月7日 17時) (
レス) id: 3b1910051b (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - kanaさんのお話全部面白くて好きです。 (2019年12月10日 12時) (レス) id: 9211634299 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» カズくん応援(笑)でも私もカズくんがんばれって思ってます(笑) (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - Ninome617さん» ありがとうございますー。内容忘れちゃいますよね。ほんと申し訳ないです。がんばります！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - 咲詩(さきうた)さん» ありがてぇー。ありがてぇー。カズくんをどこまで動かすかがまだ決まらない(笑) (2019年12月1日 14時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2019年8月12日 7時
