オタクな彼女とSな彼氏【あほの坂田】

あーーん ページ39

「浦ちゃん大丈夫そうだったね。
　Aに看病してもらうなんてさー、ずるいよなーー」


帰り道、手を繋いで歩きながらさかたんが頬を膨らませて言った。


「えーー？わたしのせいで風邪ひかせちゃったんだし、看病するのは当たり前でしょ？」

「俺だってAにあーーんって食べさせてもらいたいし」

きゅっとさかたんが繋いだ手を強く握った。


「あーーんはしてないけど……。
　ああ。さかたんいつも仕事でしてあげる方だから、さかたんもしてもらいたいのね！」


あーーんって口を開けるさかたんを想像したら、かわいくてにやにやしてきた。



・


家に着いたところで、カバンから鍵を探すけどなかなか見つからず、もたもたする。


「鍵ないの？」

ポケットからスッとさかたんが鍵を出して部屋を開けた。

スタスタと当たり前のように私の部屋に入って行くさかたん。


「あれ？わたし……鍵……」

カバンをゴソゴソしたらちゃんと鍵は見つかった。



「ああ、これ。合い鍵見つけたんだよね……。
　ちょーだい？……ダメ？」

にこって頭を傾けたさかたんがかわいくって、身体がきゅんっと音を立てた気がした。


「あげる！さかたんすき！」

「ええ？！Aどうした？！」

嬉しいけど！！ってあたふたしているさかたんの胸元に飛び込んで抱きついた。


　

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