オタクな彼女とSな彼氏【あほの坂田】

破滅の呪文 ページ38

ちょっと待って……。
意味わかんない……。


視界には近すぎてぼやけた浦田さんの顔。

柔らかい唇……。


坂田には内緒だよ？って…………。



やだっと言おうとして口を開いたら、唇をパクっと咥えられてさらにいやらしく浦田さんがキスをする。


なんでこんなことするの？

浦田さんを両手で押すけど、熱があるとは思えない力で迫ってくる。





「A？浦ちゃんどう？」

カチャッとドアが開く音がして、浦田さんがキスをやめてくれた。


「片付け終わったから帰ろうー。
　浦ちゃん起きてるの？電気つけるよ？」

さかたんが壁のスイッチで部屋の電気をつけた。



…………どうしよう……。

さかたん以外の人とキス……。

視界がぼやけてきて、涙がたまってるんだと気づく。



「あー。坂田、悪いな。
　もう大丈夫だよ。薬も飲んだし」

浦田さんがぺろりと唇を舐めて私の方を見た。

薬飲んだなんて嘘つき。



「ほんと？良かった。
　ゆっくり休みなね。A帰ろうか」


さかたんが私の手を引いて寝室を出る。

ちらっと浦田さんを見たら、小さく舌を出して笑ってた。



…………ひどい……なんでキスなんか……。

しかも悪びれた感じもなく笑ってるし！



ムカッとして、「バルス」と呟いたら浦田さんが噴き出して笑った。



さかたん…………ごめんなさい……。

さかたんに言えない秘密が出来てしまったよ……。




　

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