オタクな彼女とSな彼氏【あほの坂田】

私のせい ページ33

「浦ちゃんどうだって？」

さかたんもちょっと気になるのか、眉間にシワを寄せて聞いてきた。


「大丈夫って言ってたけど……くしゃみしてたし、ちょっと声が変だった気がする……」


「そっかー。まぁ、大丈夫でしょ。
　って、A？何してんの？」


「え？」

バタバタ着替えてたらさかたんがびっくりした顔をしている。


大丈夫って言われても、喧嘩に巻き込んで迷惑かけて、おまけに風邪までひかせてしまったなんて……。

申し訳なさすぎる。


「ちょっと様子見に行ってくる！
　ご飯食べてないかもだし！薬とか」


「大丈夫って言ってたんだろ？！Aが行く必要ないって」

「でも……」


元気ならいいんだけど、もし熱があって寝込んでるとしたら……。


浦田さん……意地悪だけど、患者さんだし……。

昨日も助けてもらったし……。


気になるんだもんって顔をして、さかたんを見つめる。


「Aちゃーん……。
　そんな顔して無言でお願いされたらダメって言えないじゃん……。

　まじで勘弁してよ……はぁ……」

のそのそと、さかたんも着替え始めた。


「さかたんは家で待ってていいよ？！
　すぐ帰ってくるし！」


「はっ？」

「え？」

顔恐いよ！さかたん怒りモード！


「Aひとりで浦ちゃん家に行かせるわけないでしょ。
　ほんっとバカ……」


「あ、そっか。さかたんも心配だよね。
　浦田さん大事なお友達だし！」

文句言いながらもさかたんも心配なんじゃん。



薬と、冷えピタを救急箱から取り出してたら、

「俺が心配なのはAだよ……」

って頭をパコっと叩かれた。

　
　

突撃→←心配

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す