オタクな彼女とSな彼氏【あほの坂田】

よく鳴る電話 ページ4

マンガに集中し出したところでまた着信。


「はーーいもしもーし」


今日はよく鳴るなぁ……なんてため息をついたら聞こえちゃったみたいだ。


「Aーー？ため息ってどういうこと？」

あ、ちょっと不機嫌だなって、さかたんの声のトーンで思った。
　


「うらちゃんから聞いたよ。ハロウィンパーティーだって？
　ね、俺さ、来週末は夜勤だって言ってたよね？」


あーーそうだったかも。

壁のカレンダーをチラッと見る。


さかたんの仕事はシフト制なので、うちのカレンダーにはさかたんのスケジュールが書き込まれている。

もちろん彼が自分で書き込んでいるのだが。



「ね、うらちゃんの家でしょ？
　ダメだよ、Aひとりで行くのは」

「え？」

「え？じゃないでしょ。俺が行けないのに行くとか許さないよ？」


電話の声は直接聞くのとはまた違って、少しドキドキする。


「あー……俺が仕事してるのに遊んでんじゃねーよ！ってやつでしょうか」

「え？」

「さかたんが行くなって言うなら行かないよ。
　断っておいてもらえます？
　
　浦田さんに、LINEしてって言われたんだけど……」


「それはしなくていいから……。
　てかさー、俺がいないのに男の家に行くなって言ってんだからね？」


「あ゛あー……もうぜんっぜん分かってないんだもんなー……」ってさかたんがため息をついた。

　

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