オタクな彼女とSな彼氏【あほの坂田】

歌い手好きの友人 ページ3

「えーーー！うらやましい！！
　うらたんの家？！えーーー！ありえない！」


さかたんと出会うきっかけとなった志織に、なぜか浦田さんに誘われたパーティーの話をしている。


歌い手の魅力について熱く語られても……。

とりあえずはふんふん、と話を聞きながら、電話なのをいいことにマンガをペラペラとめくる。



「いいなぁー！うらたんが歯医者にきてるとか！
　密着じゃん！顔近いよね！うはーー！」


「あのね、わたしは仕事なの！
　てか顔近いとか考えないから。歯しか見てないし」


「そうなの？でも胸とかあたるんじゃない？」


うーん……そうかもな……。


「てかさー、Aがさかたんと付き合うとか！まじびっくりだよ。
　超うらやましい！！！」


「それはわたしもびっくりだよ。
　てかさ、うらやましいうらやましいって、あなた誰のファンなの？」


つーか、彼氏いるだろ！お前！と思いつつ、疑問を投げかけた。



「浦島坂田船も好きなんだけどね、一番はまふまふ！まふくん！」


おおっと。またしても知らない名前が出てきたぞ。


うらしまさかたせん？なにそれ。

てか、まふまふって誰。

ふわふわしてそうな名前だな、なんて思った。


「もふもふ？まふまふ？」

「まふまふ！！
　Aさ、もうちょっと歌い手詳しくなんなよ。
　さかたんに聞いてみて！うらたんでもいいけど。
　わたしはこたぬきだから！」


いやーー……もうなにがなんだか。

志織はいつからたぬきになったのよ……なんて突っ込みたかったけど、
マンガに集中したくなったので、電話を切った。


　

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