オタクな彼女とSな彼氏【あほの坂田】

酔った勢い ページ18

「センラさんも歌うんですかー？」

あれ、なんかテンションおかしい。

わたしから話しかけるなんて。


聞いた後でハッとしたけど、さかたんも浦田さんも、
「Aから質問してる？！」ってびっくりした顔してるし。


たぶん酔ってる……。


「ねえ、さかたん。わたし酔ってる？」

「酔ってる……。もう帰る？」

さかたんがちょっと眉毛を下げて、しょうがないなぁって優しい顔して私の頭にポンと手を置いた。


「だよね、なんか熱くて。顔赤い？」

「うん。耳まで赤いし、目も潤んでる……」

頭に置かれたさかたんの手が頬の方へきて、熱くなった体温を冷やした。



「ちょっとちょっと！A！
　俺に話しかけといて無視ってなんなん。

　そんでその甘い空気！
　見せつけんでくれる？！」


センラさんが、「さかたんって、彼女の前だとこんなデレデレなん？」って苦笑いしてる。


「うるさいからー。お前にそんな興味ないんだって。
　諦めろ。こいつは坂田大好きだから」

ははって意地悪く浦田さんがセンラさんに言った。


「へえーー。なんが良かったの？坂田の」

「え！センラさんそれ聞いちゃう？！
　A！言ってやんなさい！！」


さかたんの何が良かったのかって…………。


そんなの、ねえ。



「銀さんです」

と即答した。

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