お隣の家 ページ33
.
大野さんを支えながら部屋の前まで来て、鍵が開けられるのを見ながら焦る。
男の人の一人暮らしの部屋に入ってもいいの？
危険じゃない？
だけど、風邪でふらふらしてる人を放ってもおけない。
ぐるぐると、どうしようって考えてたら、大野さんが部屋のドアを開けた。
お隣だから間取りは同じなのに、置いてある物が違うとこんなにも雰囲気が違うものなのか。
「じゃあ……私はここで」
ドキドキが早くなってきて、そっと大野さんの腕から抜け出そうとしたら、服を掴まれた。
「ベッドまで連れてって」
「やっ……そんな。もう部屋なんだし……」
「Aがベッドまで連れてってくれなきゃ玄関でこのまま倒れちゃうよ？
明日の朝、俺が死んでたらAのせいよ？」
「なっ……！」
死ぬくらいつらい人がそんな顔する？ってくらいに、艶っぽい笑みで私を見てる。
挑戦的な瞳。
「…………もおーー！分かりました！
入りますよ？！」
「ベッドまでね。やったぁ」
きゅっと抱き締められて、最高潮にドキドキしてくる。
この人はかっこいいとかわいいの振り幅がすごすぎるんだ。
「おじゃまします……」
大野さんを支えながら恐る恐る部屋に入る。
大野さんの匂いと、懐かしい習字の墨の匂いが混ざった部屋。
家具はシンプルで少ないのに、大小様々な額縁がたくさんあって、長い習字の半紙が広げてあったり、太さが色々な筆が立ててあったりと、珍しい物がたくさんある。
そして、飾られている書は、どれも心が揺さぶられるほどパワーがあって惹き付けられる。
「ベッドこっち」
大野さんに引っ張られるみたいになりながら、寝室に入った。
寝室には額縁に入れられた書がいくつも立て掛けてあって、書に混ざって絵も置いてあった。
物置にベッドがあるみたいになっている。
「寒いですね……」
カーペットもひかれてないフローリングは冷たい。
「だから言ったじゃん。俺んちさみーって」
ぶるっと震えながら、大野さんがまた私に抱きついた。
心臓が痛いくらいうるさい。
「とっ！とりあえず大野さんは寝て下さい！
体温計ありますか？薬は？
着替えた方がいいですよね。
パジャマ！これですか？！」
「Aってば焦りすぎ」
「着替えててください！
うちから薬持ってきますから！」
妖しく微笑む大野さんにパジャマを押し付けて部屋から逃げ出した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1533人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
510kana(プロフ) - さよさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(；Д；)こちら、福岡にあるショッピングモールをモデルにしてます(笑)更新遅くて申し訳ないです｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (
レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - さとちさん» 相葉くんほんといつも片思いの役ばっかりでごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - いつも心臓を鷲掴みにされ、510kana様が描くお話に夢中なっています。私の生きがいで楽しみです。この碧空ブリーズに出てくるモールが 私が知ってる所にそっくりで^ ^ もしかして…とどきどきしてます（笑） (2018年4月3日 23時) (レス) id: 741ec03a5a (このIDを非表示/違反報告)
さとち(プロフ) - 相葉さーーーん(´；＿；｀) (2018年4月2日 8時) (レス) id: d1a92f5b5f (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» お互い同じ人のことを好きで相談しあってたって切ないですよね(´pωq`)愛され主人公しか書きたくないので(笑)これからも好かれます！！(笑) (2018年4月2日 6時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：510kana
| 作成日時：2017年12月29日 8時
