過去の恋愛 ページ28
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私と二宮くんは高校で知り合った。
小、中と同じで、高校まで同じになった私の唯一の男友達の村上と二宮くんが塾友達だったことから、自然と仲良くなった。
二宮くんは綺麗な顔で、勉強も運動もできて人気があったけど、あまり目立つ方ではなかった。
キャーキャー追いかけたりするんじゃなくて、みんなこっそり好きみたいな。
私もそんな一人だった。
特別な存在になりたいなんて贅沢は望んでなかった。
その関係が思いもよらぬ方向へ動いたのは、卒業式のことだった。
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誰もいないと思っていた教室に、１人ぽつんと机にうつ伏せて寝ている人がいてびっくりした。
その人が二宮くんだというのは、顔を見なくても分かった。
ずっと好きだったから、後ろ姿だけでもわかる。
だけど、自信が持てなかったのは、彼が座っているのが私の席だったから。
「二宮……くん？」
「…………A」
「帰らないの？」
「うん」
二宮くんはうつ伏せたまま動かない。
授業中もよく腕を枕にして寝ていたなと思ったら、もうこの姿も見納めなんだなと切なくなる。
「あの……二宮くん。
ちょっと引き出し見たいんだけど、いい？
村上がね、私の机にプレゼント入れといたって言うの」
「……どーぞ」
二宮くんは少し椅子を引いて、引き出しが見えるようによけてくれた。
退いてはくれないんだ、なんて苦笑いしながら、二宮くんの横にしゃがんで引き出しを覗く。
「なにもないじゃん」
空っぽの引き出しに、騙されたのか？とムッとしながら立ち上がろうとしたら、二宮くんが私の制服の裾を握った。
「え？……なに？」
「…………」
二宮くんはうつ伏せのまま、私とは反対へ顔を向けていて、こっちを見ようとはしない。
それなのに掴んだ手を離してはくれなくて、訳がわからない。
「A……。
明日から会えなくなるけどいいの？」
しばらくの沈黙の後、二宮くんはぽつりと言った。
「えっと……」
いいの？って言われても、今日で卒業だし。
寂しいけど、それはどうしようもないことで。
「付き合おうよ、俺ら」
ゆっくりと二宮くんが顔を上げて、返事ができずにいる私を真っ直ぐに見た。
「付き合おう？A」
少し首を傾げて、お願いするみたいな顔がかわいくて、私は「うん」って返事をした。
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510kana(プロフ) - さよさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(；Д；)こちら、福岡にあるショッピングモールをモデルにしてます(笑)更新遅くて申し訳ないです｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (
レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - さとちさん» 相葉くんほんといつも片思いの役ばっかりでごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - いつも心臓を鷲掴みにされ、510kana様が描くお話に夢中なっています。私の生きがいで楽しみです。この碧空ブリーズに出てくるモールが 私が知ってる所にそっくりで^ ^ もしかして…とどきどきしてます（笑） (2018年4月3日 23時) (レス) id: 741ec03a5a (このIDを非表示/違反報告)
さとち(プロフ) - 相葉さーーーん(´；＿；｀) (2018年4月2日 8時) (レス) id: d1a92f5b5f (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» お互い同じ人のことを好きで相談しあってたって切ないですよね(´pωq`)愛され主人公しか書きたくないので(笑)これからも好かれます！！(笑) (2018年4月2日 6時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2017年12月29日 8時
