電話の沈黙 ページ14
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2、3秒の沈黙のはずなのに、緊張で呼吸をすることを忘れてしまう。
「あの……大野……さん？」
恐る恐る名前を呼んでみた。
「…………ねえ、今部屋にいるの？」
またすごく甘い声になった。
ぶっきらぼうな話し方の時と全然違う。
どろどろに甘くて、声だけで溶かされそうになる。
「……はい」
「そっか。俺も部屋。
すぐ側にいるのにさ、電話ってのも寂しくない？」
「えっ？」
驚いた声を上げると、大野さんはふふっと笑った。
そして、すっと息を吸う音がして、吐息だけで囁いた。
「……会いに来ない？俺の部屋に」
「えええ？！」
会いに！部屋に！それはいったいどういうお誘い？！
軽くパニックになって、何度も「えっ？！え？！」と繰り返しながら立ち上がって部屋をぐるぐると歩く。
「彼氏じゃないんでしょ？あいつ。
ならいいじゃん」
「いやいや！そんな！いきなり部屋とか！
軽すぎません？！」
「まーそうだね。でもナンパしてるわけだし。
そんなもんじゃない？」
「なっナンパ……」
あんなに素敵な字を書く人が、ナンパ！
すごくショックなのに、ものすごくドキドキしている。
顔は高熱があるみたいに火照ってるのが分かる。
「顔見て話したいじゃん？」
「話すだけなら電話で十分ですよね！」
こんな真っ赤な顔、絶対に見せられない。
だってまるで、
恋してるみたいな。
テーブルの「恋」と書かれた紙に視線がいって、また体温が上がる。
「恋じゃない！！」
「ええっ？ははっ。なに、どうしたの？」
大野さんがクスクス笑って、思考が思いっきり声に出ていたんだと気付いて、恥ずかしくてしゃがみこんだ。
すっぽりと私がおさまる穴を下さい……。
「今どんな顔してんのか、すげー見たいんだけど。
ね、やっぱ会わない？」
ふふふっと笑う大野さんはとても楽しそう。
余裕のない私とは対照的すぎて、それがまた恥ずかしさを倍増させる。
「無理です！おやすみなさい！！」
「えっちょっと待って」と大野さんが言ったけど、一方的に通話を終了させた。
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510kana(プロフ) - さよさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(；Д；)こちら、福岡にあるショッピングモールをモデルにしてます(笑)更新遅くて申し訳ないです｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (
レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - さとちさん» 相葉くんほんといつも片思いの役ばっかりでごめんなさい｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2018年4月19日 8時) (レス) id: 776df1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - いつも心臓を鷲掴みにされ、510kana様が描くお話に夢中なっています。私の生きがいで楽しみです。この碧空ブリーズに出てくるモールが 私が知ってる所にそっくりで^ ^ もしかして…とどきどきしてます（笑） (2018年4月3日 23時) (レス) id: 741ec03a5a (このIDを非表示/違反報告)
さとち(プロフ) - 相葉さーーーん(´；＿；｀) (2018年4月2日 8時) (レス) id: d1a92f5b5f (このIDを非表示/違反報告)
510kana(プロフ) - ともさん» お互い同じ人のことを好きで相談しあってたって切ないですよね(´pωq`)愛され主人公しか書きたくないので(笑)これからも好かれます！！(笑) (2018年4月2日 6時) (レス) id: b12cca8c48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：510kana
| 作成日時：2017年12月29日 8時
