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「っ……だって私！何も出来なかった…！みんながどんどん苦しくなっていくのをただ見ていることしか出来なかったのに…！私なんか…っ……」
感情のままに言葉を並べて自分がきちんと話せているのかも怪しい。
「はぁ……っ…Aちゃん、それはちゃうよ。」
「Aちゃんはちゃんと俺の言うたこと守ってくれたやろ？安全なとこに逃げててなって。」
「そうだけど……」
「俺らからしたらそれだけで十分やねん。Aちゃんのこと傷つける奴がいたら俺らが許せへん。それくらい大切な存在になってるんよ。」
「っはぁー、頭痛いな。やりすぎたかもしれん。」
「康二くん…！」
「妖から安全を守るのも、もちろん大事な仕事やけどAちゃんのことも絶対に守り抜きたいんよ。俺からはそれだけ伝えておくな。」
こちらを見て、はっきりと頷くみんな。
自分に対する気持ちが完全に鎮まったわけではないけど、自分が思っている以上に大事にされていたのを実感する。
自分が抱えていた気持ちが失礼なんじゃないかと思うほどに。
「ふふっ、やっぱみんな変わんないね〜」
「は、お前……！」
後ろを振り返るとさっきと変わらない佐久間さんがいた。
「よぉ、ふっか。みんなも久しぶりー」
さっき阿部さんから聞いたといっても、すぐには信じられないようだ。
みんな目を丸くしている。
「っ、佐久間くん！」
「おぉ、蓮。元気？」
「うん、でも、なんで佐久間くん……」
「あぁ、俺か。そりゃみんな気になるよね。」
「俺はねぇ……」
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作者名：mariri | 作成日時：2023年3月18日 18時
