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「っふっか!」
「あぁ、わかってる!目の前のやつに集中しろ!」
「でも、もう手が……」
「血だらけって言いたいんだろ?でも俺強いから!照は気にすんな!」
妖の数が減ってきた分、辰哉くんたちに向かっていく妖の数は増えているように感じる。
音を出し、響かせ続ける辰哉くんの手は叩きすぎたのか、もう赤く染まり始めていた。
それでも、みんなの動きを見ながら攻撃を続ける。
「翔太っ!」
渡辺さんが、妖に体を飛ばされた。
「っ涼太!俺はいいから前見ろ!おいっ!!」
涼太くんまで隙をつかれて飛ばされてしまう。
隙なんてなさそうなあの涼太くんが。
「舘さん!あかん!あかんよ……もう、どうしてこんなことなってんねん!」
手の震えが止まらない。
今までに見た事ない光景。
見たくも無い光景。
このままだといずれ他のみんなも……
なんで…なんで私は何も出来ない……?
理由なく視えるようになって、それだけ?
自分のことも誰のことも守れない?
ねぇ、助けてよ。
教えてよ……!
「……ごめんね」
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作者名:mariri | 作成日時:2023年3月18日 18時