私、視えるようになりました。 (ページ37)

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「あれ、ふっか戻ってきてたんだ。ほいっ。」

阿部さんが辰哉くんにコーヒーを渡す。

「ありがとね。いやー結構な数いたよ？」

「うん、でも原因はわかったと思う。」

「あ、そーなの？まぁ、原因なくホイホイあの数出てこられたらたまったもんじゃないよね。」

「そうだね。で、その原因っていうのは多分Aちゃんだと思うんだよね。」

「あ、それ前に渡辺さんにも言われたんです。何かあるのかって。」

「翔太に？」

「はい、でも自分じゃ何も分からないんですよね…」

「んー、そっか。さっきも言ってたもんね…俺が思うにだけど、Aちゃんは妖を寄せつける何か特別な力があるんだよ。」

「特別な力？なにそれ。」

「うーん、それはまだ分からないなぁ……でもこのことは、三課で扱う対象としてかなり興味深いものだからAちゃんのためにも力を入れて調べようと思ってるよ。」

「ありがとうございます……」

「あー！ごめん、俺ちょっと予定入っちゃって行かなきゃだ。2人ともまだここにいて大丈夫だから、帰る時もそのままで。」

「ん、おっけー」

「ありがとうございました。いきなりだったのに……」

「ううん、俺も聞きたいこと聞けたから。こちらこそありがとね。」

私に一体なんの力があるのだろう。

妖を消すことも出来ないのに。

寄せ付けるだけ？

「阿部ちゃん、行っちゃったねぇ。」