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「じゃあ、Aちゃんそこに座って話そうか。」
「あ、失礼します。」
「お茶でも大丈夫？飲み物持ってくるけど。」
「はい、わざわざすみません。なんなら私が……」
「いやいや、座ってて？Aちゃんはふっかと違ってお客さんだからね。」
辰哉くん……あなたは今までに何を…
「はい、おまたせ。」
「ありがとうございます。」
それにしても阿部さん…
纏うオーラが柔らかすぎる。
「Aちゃん、最近視えるようになったんでしょ？」
首をこてんっと傾げながら聞いてくる。
あざとい……
「そうなんです。突然でびっくりしました……」
「そうだよね。出来ることなら視界に入れたくないもん。あんなの。」
え？あ、急にブラックな感じで……
「阿部さんもやっぱり、子供の頃に視えるようになったんですか？」
「うん。だけど俺さ、あんまり得意じゃなくて。消すっていう行為が。」
得意じゃない……
康二くんとはまた違ったことなのだろうか。
「消すことは人並みには出来ると思うんだけど、感覚がなんかね……苦手って言うか…」
「簡単なことでは無いですもんね。」
「うん…だから今は新しく部署をつくって妖が生まれる原因にフォーカスした仕事をしているんだ。」
え、ということは……
「ふふ、ここが新しく出来た部署だってことは聞いてると思うけど、俺がつくったとは思わないよね。」
「阿部さんが……」
「そう。びっくりした？俺意外とまぁまぁな立ち位置でね。それで言ったらふっかたちもか。」
「そうなんですか…？」
私、とんでもない人達に囲まれているのかもしれない……
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作者名：mariri | 作成日時：2023年3月18日 18時
